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中小企業におけるRPA導入の成功事例5選【従業員規模別に解説】

2020.11.24

人が行ってきた定型的な業務や反復的な業務をロボット(ソフトウェアロボット)やIT技術によって自動化して生産性を向上させるRPAは、大企業だけでなく中小企業でも導入が進みつつあります。

コスト削減や生産性向上がメリットとして注目されるRPAですが、2020年4月から中小企業での時間外労働の上限が月45時間、年間360時間までとなっており、働き方改革を実現する有効な手段の1つにもなります。

 

今回は、RPAの導入を検討している中小企業向けに、「10~100人規模」「100~300人規模」「1,000人未満」の企業規模別の活用事例とその成果を解説します。

RPAとは

中小企業におけるRPA導入の成功事例5選を紹介しています。
RPAは「Robotic Process Automation/ロボティック・プロセス・オートメーション」の略で、主にデスクワークに代表されるホワイトカラーの定型業務をソフトウェアのロボットによってが自動化する取り組みや概念を指します。

 

中小企業がRPAを導入するメリットや、導入によって費用対効果を上げるためのポイントなど、RPAについて詳しくはこちらの記事をご参照ください。

RPAを導入した企業事例【従業員数10~100人規模】

ここからは、中小企業庁発表の「中小企業白書」などをもとに実際にRPAを導入し成果を上げている企業事例を、従業員規模別に紹介します。

 

(参考:中小企業庁│「中小企業白書」)

 

まずは従業員数10~100人規模の企業からです。

IT専任者が不在でもRPAによる業務効率化達成:株式会社オカフーズ

オカフーズは東京都中央区にある40人規模の水産加工メーカーです。専任のIT担当者不在ながらRPAの導入を実現しました。

 

●RPA導入の動機
商品データを基幹システムに手入力するという生産管理業務を自動化する目的でRPAの導入を決めました。

 

●実践
外注の場合は、
・業務手順の変更やブラウザの仕様変更など都度修正の必要がある
・RPAの作成や運用のナレッジを蓄積できない
ため、オカフーズではRPAを自社で内製することに決めました。

社内でプログラム作成に適性のありそうな従業員を選び、オンラインのRPA講座を受講させ、実践レベルまで引き上げました。

 

●結果
最初に作成したプログラムで生産管理に関する入力業務の自動化に成功し、年間200時間以上の作業時間の削減を見込めるほどの成果を上げました。

また、人的ミスがなくなり、単調業務から従業員を解放し別のより戦略的な業務を担当させるといった効果も出ています。

RPAを導入した企業事例【従業員数100~300人規模】

続いて、従業員数100~300人規模でRPA導入に成功した企業の事例を紹介します。

RPA活用の成功後、ノウハウを用いた導入支援を開始:税理士法人あさひ会計

税理士法人あさひ会計は山形県山形市にあるグループ総勢130人の会計事務所です。

顧問先の会計支援を手掛ける傍ら、RPAの導入支援も行っています。

 

●RPA導入の動機
「国税庁のWebサイト上での納税関係の通知確認」や「エクセル上でのデータ加工」、「報告書の体裁の整形」など、時間を要する単純作業を削減するためRPAの導入を決めました。

 

●実践
RPAに関心を持っていた同所のIT担当者が、興味本位で上述した作業を担うソフトウェアロボットの開発に着手し、それらの作業のほか、受領した会計データや請求書の発行などの自動化に成功しました。

他にも自動化可能な作業があれば随時ソフトウェアロボットを開発し、2018年6月以降130体を超えるソフトウェアロボットを開発しています。

 

●結果
自動化により、年間3,000時間以上の業務量の削減に成功し、従業員からは「単純業務や所内の事務業務が減り、経営に関する相談にあてる時間が増えた」という声が挙がっています。

また、同所は2019年に「株式会社ASAHI Accounting Robot研究所」を設立し、RPAの導入や運用支援のほか、コンサルティング支援も手掛けています。

自動化によるコア業務集中で売り上げ拡大:株式会社ウェルクス

ウェルクスは保育士や栄養士の人材紹介を行う東京都台東区にある企業で、従業員数は約260人です。

同社が手掛ける保育士の人材紹介サービスには、現職保育士の5分の1が登録しており、業界トップシェアを誇ります。

 

●RPA導入の動機
保育園や幼稚園への求職者情報のFAX送信は同社にとって非常に重要な業務ですが、求職者の希望条件を満たす施設の抽出には数十項目の条件設定が必要で、FAX送信1件につき5~15分程度の時間を要していました。

この作業時間を削減するため、RPAの導入を決めました。

 

●実践
ITシステム導入時のような詳細な要件定義等は行わず、従業員向けに作成されていた業務マニュアルを、ソフトウェアロボット向けに1日で書き直してシステム会社に提出。システム会社はそれをもとにRPAを開発しました。

導入コストは30万円、ランニングコストは月数万円と安価でスタートできました。

 

●結果
FAX送信のために1件あたり平均10分の時間を要した作業が自動化され、正確性も高まりました。

また、担当者の退職によって社長自身がFAX送信に1日4時間以上を費やすという事態になっていましたが、RPA導入で社長が本来の経営業務に専念できるようになり、導入後の同社の売上は2.5倍に拡大しています。

RPA活用で欠員補充が不要に:のぼり屋工房株式会社

のぼり屋工房は岡山県岡山市にあるのぼり旗をはじめとする販促・宣伝用品の企画、販売を行う企業で、従業員数は約160人です。

 

●RPA導入の動機
既製品の受注は基幹システムに直接入力できる一方で、別注品は別の見積システムを使って処理し、確定した受発注データをもとに改めて基幹システムに入力する必要がありました。

1日あたりのデータ量250〜300点、処理に5時間を要する入力作業の担当者が異動となり、後任を探す過程で、この作業をRPAで自動化することに決めました。

 

●実践
同社のシステム担当者が、RPAベンダーの研修を受け、2か月のRPA試用期間の間に業務工程を調整しました。

RPAに引き継げない部分もあるため、基幹システムへの引き継ぎ後にエラーが出た場合は人間が確認して修正するという手順を採用しました。

 

●結果
別注品の受発注管理にかかっていた5時間/日のうち、3~4時間の作業時間削減を実現しました。RPA導入をきっかけに業務フローの見直しも進んでいます。

RPAを導入した企業事例【従業員数300~1,000人規模】

最後に、従業員数300~1,000人規模の企業でのRPA導入事例を紹介します。

受注データの処理を自動化し、担当者の休日を確保:信州ハム株式会社

信州ハムは長野県上田市に本社を持つ食品加工メーカーで、従業員数は約460人です。

ハム・ソーセージの製造・販売や総菜の販売を行い、全国に15の事業所を有し、全国に展開する大手主要スーパーを取引先としています。

 

●RPA導入の動機
受注データを同社の基幹システムと連携させるため、データダウンロード、リネーム、指定フォルダへの保存といった作業を365日休まず行う必要があり、情報システムの管理者は休日も出勤するなどして対応しなくてはいけない状態でした。
またこの作業の過程で、人的ミスも生じていました。

このデータ作業を自動化するために、RPAの導入を決めました。

 

●実践
受注データのダウンロードとデータ変換の自動化を行い、稼働状況をスマートフォンで確認できるようになりました。

 

●結果
人的ミスが解消されたほか、送受信エラーの際は通知メールが入り、スマートフォンの操作で送受信指示ができるようになったため休日出勤が不要になりました。

また対応社数が5倍に増えても、人員を増やさずに対応できるようになり、人件費の抑制にもつながっています。

RPAの導入で、企業の成長と働き方改革を実現する

RPAを導入すると、人件費をはじめとする「コストの削減」、「生産性の向上」、そして「戦略的な取り組みへの注力」が可能となります。

また冒頭で触れたように働き方改革の実現につながるほか、リモートで管理ができるため、コロナ後に導入が進んでいるテレワークにも有益です。

自社のどの業務で自動化が可能なのか、本記事で紹介した事例を参考にRPAの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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