オフィス移転チェックリスト ─コロナ後の縮小移転時にも有効─ | akeruto_ はたらく未来のカギになる

Akeruto はたらく未来のカギになる

PLACE

オフィス移転チェックリスト ─コロナ後の縮小移転時にも有効─

2020.07.02

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響が拡大するなかで、テレワークの導入や柔軟なオフィス運用の必要性が高まり、オフィスの縮小移転を検討する企業が増えています。

オフィスの移転には、移転の目的に適う場所の選定から現在利用するオフィスの解約手続きまで、一般的に半年から1年程度の期間が必要となります。

そうなると企業の総務、管理部門の担当者にとってはあらかじめ発生する作業の洗い出しとスケジュールの把握が欠かせません。

 

こちらの記事では、オフィスの縮小移転を検討している企業向けに必要なポイントと手順をチェックリスト形式で解説します。

オフィス移転の6か月前までにやること

オフィスの縮小移転の手続きと手順を紹介しています。
オフィスの縮小移転を計画する際は、移転6か月前までには、オフィスの選定やスケジュールを決定し、現在のオフィスの解約予告を済ませておく必要があります。

この時期までの必要タスクを確認しましょう。

①移転のコンセプトを決定

規模を縮小してオフィスを移転をすることが決まった場合、新オフィスに移転する目的やコンセプトを社内で共有しておく必要があります。


・現在のオフィスの課題の洗い出し

現在のオフィスで、従業員が設備や立地の面で感じている不便な点や、オフィス環境が事業に及ぼしているデメリットなどを洗い出します。

そして、新オフィス選定の際に洗い出した項目とつき合わせ、ミスマッチを防ぐ材料とします。


・経営層、従業員の要望や意見をまとめる

社内で十分に合意を取らず、オフィスの規模や家賃だけでオフィスを選んでしまうと、従業員から不満が出るかもしれません。

また、経営層の目的と合致しない条件のオフィスを選べば、事業にも直接の影響が生じることが考えられます。

担当者は従業員から「新オフィスに求めること」、経営層から「オフィスの規模を縮小することで何を達成したいか」をヒアリングし、会社としての総意をまとめましょう。

 

・テレワークを念頭に置いたオフィスの機能を構想する
新型コロナウイルス感染症の影響で全国的にテレワークの導入が進んだ現在、従業員の何割かがテレワークを行うことを前提としたオフィス環境を考えておく必要があるでしょう。

恒常的なテレワークの導入を前提にすれば、そのために必要な機器の購入やオフィスデザインの構想が必須となります。

アフターコロナ時代に移転のコンセプトを決める際には、必ず検討が必要となるポイントです。

②移転スケジュールの調整と業者の選定

6か月前には、移転のスケジュールを立て、新オフィスの工事を依頼する業者と予定を共有する必要があります。

 

・移転のスケジュールを立てる
移転のコンセプトを固めた後は、実行に移すためのスケジュールを立て、工事の施工日や現オフィスの解約予告の日程を決めます。

立てたスケジュールをもとに各業者や社内の各部門にも連絡を取り、具体的な日程の調整をします。

 

・工事を依頼する業者の選定
移転先の新オフィスの工事を依頼する業者を何社かピックアップし、費用や条件、スケジュールの面から選定を行います。

移転に関する準備が煩雑なことから、物件探しやオフィスのレイアウトまで一括で請け負うワンストップの業者も増えています。このようなワンストップ業者の場合、工事や引っ越しの窓口は1つで済みますが、個別の業者に依頼する場合、選定と連絡はそれぞれ別々に行います。

予算や自社内でかかる手間などを勘案し、適切な方法を検討しましょう。

③旧オフィスの解約予告

オフィス移転に向け、今のオフィスを退去する場合は物件のオーナーや管理会社に解約通知を出すことが定められています。

スムーズな移転のために、予め解約予告をするタイミングなどスケジュールを立てておくと良いでしょう。

 

・賃貸契約書の内容を確認
現在のオフィスの賃貸契約書を確認し、契約していた条項や退去時に必要な項目、オフィス退去時に返還される預託金などについて確認しておきます。

 

・オフィスの解約時期の確認と解約予告
移転スケジュールと照らし合わせ、オフィスを解約する時期を決定した上で解約予告を行います。解約予告期限は、賃貸契約書を確認しましょう。

④移転先オフィスの選定

移転先オフィスの選定には、コンセプトと一致しているかという基準の他に、以下の点を考慮して候補地を絞ると良いでしょう。

 

・移転先の立地の確認
交通の便は良いか、営業や開発などの事業面でメリットが大きい立地かなどを検討の材料とします。

 

・社員の交通費の増減状況を確認
移転先のオフィスが従業員の住居と離れすぎていないか、交通費がどれくらいになるかを確認しておきます。

 

・近隣の銀行・郵便局・役所の所在地の確認
経理や総務の部署であれば、業務で銀行や郵便局、役所での手続きを日常的に行う場合もあります。業務の利便性の面でも考慮した方が良いでしょう。

 

・飲食店やコンビニが多いエリアかの確認
昼休みにランチを取りに行きやすい立地かどうかは、従業員の満足度にも関わり、気を配りたいポイントです。

 

・電気容量や電話回線数などの設備の確認
移転先でスムーズに事業を継続するために必ず確認しなければならないポイントです。移転先の電気容量、回線数などの設備が十分かどうか、現状のオフィスの状況をもとに確認します。

 

・オフィスの家賃の確認
無理なく支払える費用か、立地条件に見合う料金設定かのポイントを確認します。

⑤契約

移転先の物件を決定したら、不動産業者との交渉を始め、物件のオーナーとの契約に移ります。

 

・不動産業者との価格交渉

・オーナーと契約を結ぶ

オフィス移転の4~5か月前までにやること

この時期にはオフィスのレイアウトの決定など、工事開始までに終えなければならない作業があります。

①オフィスレイアウトのプランニング

・新オフィスのデザイン案を考える
事前に検討したコンセプトや旧オフィスの課題点を解決するようなオフィスデザイン案を複数用意します。

現在であれば、アフターコロナ後のオフィスを考えるなら3密を避け、身体接触を減らす工夫を取り入れるデザインは必須と言えます。

 

【ウィズコロナ・アフターコロナ時代のオフィスレイアウト】については、こちらの記事をご参照ください。

 

・具体的なレイアウト案を出す
デザインが固まったら図面にオフィスのレイアウトを反映していきます。

執務室以外にも、会議室、休憩室、収納スペースはどの程度設けるのか、各スペースのセキュリティはどうするのか、といった点も考慮します。また、企業規模に応じて必要とされる設備などもあるため、その点も忘れずに検討するようにしましょう。

 

・レイアウトについて業者とのすり合わせを行う
社内で決定したレイアウト通りの設計が可能か、改善点はあるかを施工業者と話し合い、ブラッシュアップして、決定案を共有します。

②必要な什器備品と家具の準備

この時期に、新オフィスで必要な什器備品と家具の準備をしておきます。
レイアウト案と同時進行で必要な什器備品の数や家具のタイプを選定しましょう。

 

・新オフィスで必要な家具、什器備品、OA機器などを選定しておく(現オフィスで不要な家具や什器の見直しも)

・新規購入と処分費用の見積もり依頼を出す

③移転時に必要な各業者の選定

ワンストップの業者を利用しない場合は、引っ越し業者や新オフィスに配置するOA機器の業者を選定し、依頼を出しておく必要があります。

移転先の建物の管理会社で清掃サービスを行っていない場合は、この時期に清掃業者を選定しておくことも必要になります。

 

・引越し業者の選定

・OA機器業者の選定

・定期清掃業者の選定

④工事を開始

レイアウト決定後、工事費用の見積もりを出して最終確認を行い、工事に着手します。

 

・業者と新オフィスの内装工事の契約を交わす

・新オフィスの工事の開始

オフィス移転の3~1か月前までにやること

移転1か月前までに完了が必要なのが、以下の作業です。

①取引先に移転を告知する

遅くとも移転の1か月前にはオフィス移転を顧客や取引先などの関係企業に案内しておかなければなりません。

 

・得意先に移転の案内状・メールを送る
取引先によっては、システム上の住所変更に時間が掛かることもあり、2~3か月前から連絡先リスト作りや案内状、メールの文面を準備しておく必要あります。

移転情報が正しく伝わっているということが確認できるように、メールで一斉に情報配信をした後に、主要な取引先には電話で個別に連絡をした方が良いでしょう。

得意先企業だけでなく、業務委託契約をしている企業や、会計事務所、弁護士事務所などにも案内状を送ります。

 

・備品のリース会社に移転を告知する
コピー機やエアコンなどオフィスで使っていた備品の提供会社にも、利用を継続する場合は連絡をしておきます。

 

・金融機関に移転を告知する
取引のある金融機関にも企業情報の変更の連絡が必要です。

②旧オフィスの原状回復手続き

オフィス移転時には、旧オフィスを入居時の状態に戻す原状回復手続きが必要となります。工事業者に依頼を行い、移転2か月前には工事の発注を済ませておきましょう。

 

・工事業者への依頼

・工事の発注(移転2か月前まで)

オフィス移転の1か月前~移転当日までにやること

概ね移転に必要な作業が終わった直前の時期には、社外向けに企業HPでの告知と、社内向けの説明会などを行います。

①企業HPの情報更新

企業HPの会社情報欄に新オフィスの住所を記載します。HPのトップページにも事前に「〇〇年〇月〇日から新住所「〇〇」に移転します」という旨の告知をしておきましょう。

②社内書類の変更

契約書や請求書、郵送用の封筒など、旧オフィスの住所、電話番号が記載されているものは破棄し、新しい情報に変更します。

必要書類をデータで管理している場合は、フォーマットの情報更新が必要です。

③社内説明会の実施

新オフィスの周辺情報や新オフィス移転までのスケジュール、移転当日の作業リストなどを、説明会を開いて社員全体に共有します。

スムーズに新オフィスでの業務に移れるよう、総務・管理部門の担当者は新オフィスの使い方マニュアルの配布やデータ共有も事前に行っておきましょう。

オフィス移転の当日~移転後にやること

①家具や備品の搬入数のチェック

移転当日、旧オフィスから移動させたり新たに購入した家具や備品の数が合っているか、搬入物の内容と数の確認を行います。

②関係官庁への連絡

オフィスを移転する際は、関係省庁に書類を提出する義務があります。届け出は移転後ですが、不備がないように移転前から書類を揃えておき、チェックリストをもとに申請を行いましょう

 

・法務局(登記所)への届け出
移転日から2週間以内に、登記の移転届けを法務局に提出する義務があります。

本社(本店)の移転の場合は「本店移転登記申請書」を旧所在地と新所在地の管轄法務局に申請します。支店の場合は、まず「支店移転登記申請書」を移転から2週間以内に本店所在地の管轄法務局に申請し、その後に旧支店と新支店の所在地の管轄法務局への申請を行います。

なお、支店所在地の管轄法務局への登記申請は、移転から3週間以内とされています。

 

・税務署への届け出
「事業年度、納税地、その他変更移動届出書」「給与支払い事業所等の開設・移転・廃止届出書」を旧所在地、あるいは新所在地の管轄税務署に申請します。移転日から1か月以内の提出が必要です。

 

・都道府県税事務所への届け出
「事業開始等申告書」を旧所在地、あるいは新所在地の管轄税務署に移転日から10日以内に提出します。

 

・社会保険事務所への届け出
「適用事業所所在地・名称変更(訂正)届」を移転日から5日以内に、旧所在地の管轄社会保険事務所に提出します。

 

・労働基準監督署への届け出
労働基準監督署には3種類の提出が必要な書類があります。

1つ目が「労働保険名称・所在地等変更届」で、移転日から10日以内に提出します。
2つ目は「労働保険概算・増加概算・確定保険料申告書」で、移転の翌日から50日以内に提出します。
そして3つ目が「労働保険関係成立届」で、提出期限は保険関係成立から10日以内となります。

同じ管轄内の移転であれば旧所在地の監督署で手続が必要です。
管轄外で、同じ県内の移転の場合は新所在地の移管轄監督署で手続きが必要となります。
県外の移転の場合は、旧所在地の管轄監督署に廃止届出を出してから、新所在地の管轄監督署へ届を提出します。

 

・公共職業安定所(ハローワーク)
「雇用保険事業主事業所各種変更届」を移転日から10日以内に新所在地の管轄ハローワークに提出します。

 

・消防署への届け出
収容人数やオフィスの用途によっては「防火管理者選任届」を新所在地の管轄消防署に遅延なく提出する必要があります。

 

・警察署への届け出
社有車がある場合のみ、「自動車保管場所証明申請書」を新拠点の管轄警察署に提出します。提出の期限は特に設けられていませんが、移転後速やかに提出するようにしましょう。

 

・郵便局への届け出
「転居届」を、旧所在地の管轄郵便局へ提出します。提出の期限はありませんが、移転後速やかに提出するようにしましょう。

チェックリストを活用してオフィス移転を計画的に進めよう

コンセプトの決定から移転後の各種手続きまで、オフィス移転は複雑な長期プロジェクトと言っても過言ではありません。

特に縮小移転の場合は、オフィスの広さや必要な備品の数も変わるため、担当者の管理が必要な範囲もさらに増加します。プロジェクトを完遂させるには、時期ごとに必要な事項をまとめたチェックリストの活用が有効です。

アフターコロナ時代の戦略的なオフィスの縮小移転を検討している企業は、リストを併用して計画的な移転プロジェクトの実施を考えてみてはいかがでしょうか。

関連記事