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職場のハラスメント、どう対策する?相談窓口の役割や設置方法とは

2020.01.24

ハラスメントとは、行った側の意図に関わらず相手を不快にさせたり、何らかの不利益を与えたり、尊厳を傷つけたり、あるいは不安に陥れるような言動を指します。ハラスメントを受けた相手にとっては「悪気はなかった」で済まされるようなことではなく、近年では企業側にもさまざまなハラスメント防止対策が求められています。

こちらの記事では、ハラスメントの発生に備えた相談窓口の設置など、ハラスメントの対策について見ていきます。

職場におけるハラスメントの種類と現状

職場におけるハラスメント対策をご説明します。
そもそも、職場で起こりうるハラスメントには、具体的にどんな種類が考えられるのでしょうか。職場におけるハラスメントの現状と合わせて詳しく見ていきましょう。

職場ハラスメントにはどんな種類がある?

職場におけるハラスメントで真っ先に思い浮かぶのは、「セクハラ」「パワハラ」の2つではないでしょうか。

■セクハラ(セクシュアル・ハラスメント)
相手方の意に反する性的な言動によって、労働者の個人としての尊厳を不当に傷つけ、就業環境を悪化させて能力の発揮を阻害すること。男性から女性、女性から男性など異性間だけでなく、同性間でも起こりえる。

■パワハラ(パワー・ハラスメント)
職務上の地位や人間関係など、職場内の優位性を背景に、業務上の適正な範囲を超えて精神的・身体的苦痛を与えたり、職場環境を悪化させたりすること。上司と部下、先輩と後輩の間で起こりやすいが、部下から上司に行われることもある。

その他、近年起こりやすいハラスメントとして、以下のようなものが挙げられます。

■モラハラ(モラル・ハラスメント)
身体的な苦痛でなく、精神的な苦痛を与える嫌がらせ全般のこと。無視や人格を傷つけるような言動などにより、他者の心を傷つけるものの、加害者は自覚なしに行っていることが多い。

■アルハラ(アルコール・ハラスメント)
職務上の地位や人間関係などの優位性を背景に、アルコールの多量摂取の強要や飲めない人への配慮を欠いた行為を行ったり、女性に酌を促す行為(セクハラにも含まれる)など。

■マタハラ(マタニティ・ハラスメント)
妊娠・出産・育児などを理由とする解雇・雇い止め・降格・減給などの不利益な扱いのこと。妊娠中の人材に対し、配慮を示さず肉体的・精神的に苦痛を与えることも該当する。男性社員の育休取得に対するハラスメントは「パタハラ(パタニティ・ハラスメント)」と呼ばれる。

■ケアハラ(ケア・ハラスメント)
働きながら介護を行う労働者に対し、介護休業や介護時短制度などの制度の利用を不当に妨害すること。介護を理由に人事評価を下げ、降格したり解雇したりすることも含まれる。

職場ハラスメントの現状

厚生労働省が発表した「職場におけるハラスメント対策マニュアル」の平成28年度版によると、都道府県の労働局に寄せられる、男女雇用機会均等法に関わる相談件数は、依然としてセクハラに対する相談が最も多く(35.8%)、次いで婚姻・妊娠・出産などを理由とする不利益な扱い(28.2%)に関する相談が多くなっています。特に、婚姻・妊娠・出産などを理由とする不利益な扱い(いわゆるマタハラ)に関する相談は、年々増加傾向にあります。

職場ハラスメントはなぜ起こる?

上記のようなハラスメントが職場で起こってしまう原因としては、個人の意識によるものと、組織風土的な要因によるものの2つが考えられます。

個人による要因

個人による要因として挙げられるのは、「してはいけないことを正しく知らない=無知」と、「自分の行為がハラスメントに該当すると気づいていない=無自覚」の大きく2つに分類されます。

無知の場合はハラスメントを行ってしまうだけでなく、過度にハラスメントを気にしすぎて、相手との適切かつ必要なコミュニケーションまで取れなくなってしまう可能性もあります。過敏になりすぎないためにも、正しい知識は重要です。一方で、無自覚の場合は、そもそも自分の言動や行為が何かしらのハラスメントに該当すると思っていないため、改めて「そのような行為や言動はハラスメントに該当する」ということを十分に周知し、理解してもらうことが重要になります。

組織風土による要因

組織風土的な要因としては、達成が困難な高い目標が与えられている、物理的に不可能な業務量を課せられている、などの肉体的・精神的な「ストレスを誘発しやすい環境」や、支社や部署内の実情が本社や他部署に伝わらないといった「閉鎖的な環境」などが考えられます。

社員がどのようなストレスを抱えているのか、各職場の風通しはどうかなどを見定める必要があるでしょう。

職場ハラスメントの対策を行うには

職場ハラスメントの対策として、まずは厚生労働省が定める「事業主が講ずべき措置」に従うことに加え、その周知や啓発が必要です。

厚生労働省が定める「事業主が講ずべき事項」とは

男女雇用機会均等法及び育児・介護休業法で定められている、ハラスメント防止のために事業主が講ずべき措置としては「事業主の方針の明確化及びその周知・啓発」「苦情を含む相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備」「職場におけるハラスメントへの事後の迅速かつ適切な対応、原因や背景となる要因を解消するための措置」など11項目が定められています。

規定や周知・啓発にあたって留意すべき点

規定や周知・啓発にあたっては、以下のような点に注意しましょう。

・ハラスメント行為者への規定は、就業規則その他職場における服務規律などを定めた文書で明文化する
・周知や啓発は、管理職層を中心に階層別に研修を実施する(正社員だけでなく、非正規雇用労働者も含む)
・イントラネットや共有フォルダなどの社内ネットワーク上に関連資料を保管しておくだけでは、全労働者にハラスメントに関する内容が伝わりきらないことが多いため、集会や会議の場など顔を合わせる場面でも周知を徹底する

規定や周知用資料の事例

実際に規定や周知をした事例、周知用の資料を用意した事例としては、以下のようなものが挙げられます。

・就業規則に委任規定を設けた上で、詳細を別規定として定める
・就業規則に明記されていない事項を、パンフレットなどでわかりやすく周知する
・どのような言動がどのような処分にあたるか、具体的に記載した懲戒規定を作る
・処分にあたっての判断要素を記載した懲戒規定を作る
・管理職に向けて、制度を周知するためのパンフレットを作る

もちろんこの限りではありませんが、わかりやすい規定やその周知について、ぜひ参考にしてください。

職場ハラスメントの相談窓口を設置しよう

前述の「事業主が講ずべき措置」の中に、「苦情を含む相談に応じること」が含まれています。そこで、相談を一つの窓口に集約し、ハラスメントに該当するかどうかの判断基準を明確化するために、相談窓口を設置するのが良いでしょう。

労働者が相談しやすい窓口とは

まず、相談者のプライバシーが確保できること、相談内容の秘密が守られること、相談したことによって不利益な扱いを受けないこと、の3つのポイントが非常に重要です。その上で、相談後の対応に関する流れなどもわかりやすく説明できるとベストでしょう。

相談窓口の役割と対応の手順

相談窓口は、相談の受付(一次対応)だけでなく、事実確認なども行うのが基本です。もちろん、会社によっては相談窓口は一次対応のみとし、事実関係の調査からは人事部などに引き継ぐのも良いでしょう。基本的な対応の手順としては、以下のように行います。

相談窓口(一次対応) → 事実関係の確認 → 行為者・相談者への取るべき措置を検討 → 行為者・相談者双方へのフォロー → 再発防止策の検討

ただし、相談者が事実確認を望まず、面談だけを希望する場合は、一次対応のみで終了しても構いません。

職場ハラスメントには、事前の対策と迅速かつ適切な対応が必要

職場ハラスメントを防ぐためには、社員全員がハラスメントに対して正しい知識をもつこと、そして会社はそのための周知や啓発を行うことが重要です。同時に「事業主が講ずべき措置」に不備や不足があれば、対策を強化していきましょう。

また、それでもハラスメントが発生する場合に備えて相談窓口を設け、実際に相談があれば迅速かつ適切な対応と、再発防止策の検討が必要になります。しっかりとした対策で、ハラスメントの早期発見・早期解決、そしてハラスメントの発生しない職場づくりに努めましょう。

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