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“えるぼし認定”とは?女性活躍推進法やその認定基準、企業のメリットを解説

2020.05.08

女性が活躍できる職場づくりに取り組む企業を認定する「えるぼし認定」。

「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(以下、「女性活躍推進法」)に基づく認定制度で、令和元年度に改正が行われ、令和2年度にプラチナえるぼしの新設、令和4年度に行動計画の策定などの義務化の対象拡大が予定されています。

 

本記事では、えるぼし認定の概要や取得によるメリット、認定の基準や申請方法について紹介します。

えるぼし認定とは

えるぼし認定の認定基準や企業のメリットを解説しています。
えるぼし認定とは、女性の活躍推進への取り組みが優良な企業を認定する制度で、女性活躍推進法に基づき、厚生労働大臣が認定しています。

えるぼし認定について定める女性活躍推進法は、急速な少子高齢化の進展などに対応するため、女性の職業生活における活躍を迅速かつ重点的に推進することを目的に、平成28年4月1日に施行されました。

 

同法に基づき、常時雇用労働者数が「301人以上」の大企業は、以下の取り組みを行うことが義務付けられています。
なお、中小企業については、現在は努力義務となっていますが、先般の法改正により令和4年4月には、「101人以上」の企業へと同義務の対象が拡大される予定です。

 

①自社の女性の活躍に関する状況の把握と課題の分析

②状況の把握と課題の分析を踏まえ、計画期間、数値目標、取り組み内容、取り組みの実施時期を盛り込んだ行動計画の策定

③策定した行動計画の労働者への周知と外部への公表

④行動計画を策定した旨の都道府県労働局への届出

⑤女性の活躍に関する情報の公表

 

上記の行動計画の策定、そして策定の届出を行った企業のうち、女性の活躍推進に関する状況などが優良な企業は、都道府県労働局への申請を通じて、厚生労働大臣のえるぼし認定を受けることができます。

【えるぼし認定】取得によるメリット

では、えるぼし認定を取得することによって、企業にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

 

まず1点目として、認定を受けた企業は、認定マークを自社の商品や広告に載せることができるようになります。女性が活躍できる職場づくりに取り組む企業であることを対外的にPRすることができ、優秀な人材の確保や企業イメージの向上などにつながることが期待できます。

 

また2点目として、公共調達において優遇措置が受けられる点もメリットとなります。認定を受けた企業は、公共調達において加点評価をするよう定められており、中小企業は行動計画の策定・届出を行うだけでも、加点の対象となる場合があります。

 

加えて3点目として、行動計画の外部への公表に活用できる「女性の活躍推進企業データベース」(https://positive-ryouritsu.mhlw.go.jp/positivedb/)に掲載された情報が、「職場情報総合サイト しょくばらぼ」(https://shokuba.mhlw.go.jp/index.html)にも掲載されます。

しょくばらぼとは、平均残業時間や有給休暇取得率、女性労働者の割合などの職場情報を検索・比較することができる職場情報総合サイトで、厚生労働省が運営しています。

同サイトに職場情報が掲載されることで、ワークライフバランスを重視する求職者に対して自社の働きやすい環境をPRする機会となることが期待できます。

【えるぼし認定】認定の基準

それでは、えるぼしの認定の基準について見ていきましょう。

えるぼし認定は、以下の5つの評価項目をいくつ満たすかによって、1つ星から3つ星までの3段階に分けて認定が行われます。

自社の取り組み状況に応じて認定を取得することが可能で、1つ星は1~2つ、2つ星は3~4つ、3つ星は5つすべての基準を満たすことが必要となります。

 

【えるぼし認定】認定の基準:評価項目①採用

男女別の採用における競争倍率(応募者数/採用者数)が同程度(※)であること

※「直近3事業年度の平均した『採用における女性の競争倍率』」×0.8が、「直近3事業年度の平均した『採用における男性の競争倍率』」よりも雇用管理区分ごとにそれぞれ低いこと(期間の定めのない労働契約を締結することを目的とするものに限る)

 

【えるぼし認定】認定の基準:評価項目②継続就業

以下の①または②に該当すること

①「女性労働者の平均継続勤務年数÷男性労働者の平均継続勤務年数」が雇用管理区分ごとにそれぞれ0.7以上であること(期間の定めのない労働契約を締結している労働者に限る)
②「10事業年度前およびその前後の事業年度に採用された女性労働者の継続雇用割合」÷「10事業年度前およびその前後に採用された男性労働者の継続雇用割合」が雇用管理区分ごとにそれぞれ0.8以上であること(期間の定めのない労働契約を締結している労働者かつ新規学卒採用者などに限る)

 

【えるぼし認定】認定の基準:評価項目③労働時間等の働き方

雇用管理区分ごとの労働者の法定時間外労働および法定休日労働時間の合計時間数の平均が、直近の事業年度の各月ごとにすべて45時間未満であること(原則、以下の①により算定、①の算定ができない場合は②により算定)

①「各月の対象労働者の(法定時間外労働+法定休日労働)の総時間数の合計」÷ 「対象労働者数」<45時間
②[「各月の対象労働者の総労働時間数の合計」-「各月の法定労働時間の合計=(40×各月の日数÷7)×対象労働者数」] ÷「対象労働者数」<45時間

 

【えるぼし認定】認定の基準:評価項目④管理職比率

以下の①または②に該当すること

①管理職に占める女性労働者の割合が、別に定める産業ごとの平均値以上であること
②「直近3事業年度の平均した『課長級より1つ下位の職階にある女性労働者のうち、課長級に昇進した女性労働者の割合』」÷「直近3事業年度の平均した『課長級より1つ下位の職階にある男性労働者のうち課長級に昇進した男性労働者の割合』」が0.8以上であること

 

【えるぼし認定】認定の基準:評価項目⑤多様なキャリアコース

直近の3事業年度のうち、以下について大企業は2項目以上(非正社員がいる場合は必ず①を含むこと)、中小企業は1項目以上の実績を有すること

①女性の非正社員から正社員への転換(派遣労働者の雇入れを含む)
②女性労働者のキャリアアップに資する雇用管理区分間の転換
③過去に在籍した女性の正社員としての再雇用
④おおむね30歳以上の女性の正社員としての採用

※厚生労働省リーフレット(https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000483387.pdf)より引用

 

1つ星、2つ星の認定で満たされなかった基準については、事業主行動計画策定指針に定められたその基準に関連する取り組みなどを実施し、その取り組みの実施状況について女性の活躍推進企業データベースに公表するとともに、2年以上連続してその実績が改善していることも必要となります。

認定の段階については、法改正により令和2年6月には、現在の3段階の認定のさらに上位の認定として、「プラチナえるぼし」の新設が予定されています。

【えるぼし認定】認定の申請方法

えるぼし認定の申請方法については、前出の基準を満たしている場合に、女性の活躍推進企業データベースで認定基準に関する実績などを公表した上で、都道府県労働局への申請を行います。

都道府県労働局への申請にあたっては、所定の申請書の他、行動計画の写し、行動計画の労働者への周知と外部への公表を行っていることと行った日付が確認できる書類などが必要となります。

必要書類の詳細については、厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000091025.html)でご確認ください。

両立支援等助成金(女性活躍加速化コース)の活用も

前述のように、101人以上の労働者を雇用する企業については、法改正により令和4年4月から行動計画の策定などが義務化されることになりますが、同改正への対応を支援するための助成金も用意されています。

 

両立支援等助成金(女性活躍加速化コース)は、中小企業が女性の活躍に関する状況の把握と課題の分析を行った上で、女性活躍推進法に基づき、①課題解決に相応しい取り組み目標と数値目標を盛り込んだ行動計画を策定・公表し、②取り組み目標を実施、③数値目標を達成した場合に支給される助成金です。支給額は1企業につき47万5千円です。

中小企業においては、上記の助成金を活用しながら行動計画など女性活躍推進のための体制を整え、将来的にえるぼし認定を目指していくことが可能です。

 

女性の定着などに課題を抱えている企業においては、優秀な人材の確保や企業イメージの向上などの認定取得によるメリットを踏まえ、女性が活躍できる職場づくりへの取り組みを始めてみてはいかがでしょうか。

(執筆: 特定社会保険労務士 水間 聡子)

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