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GAFAのニューノーマル─米IT業界の巨人4社にみるアフターコロナの働き方

2020.08.21

「世界のはたらく3」のメインビジュアルです。

 

Google、Apple、Facebook、Amazon。

時代を大きく変え、現在の私たちの生活に大きな影響を与える米国のIT企業4社は、その頭文字を集めてGAFA(ガーファ)と呼ばれ、最先端の技術やビジネスモデルだけではなく、クリエイティブなオフィスやフレキシブルな働き方など、様々な話題で常に注目を集めています。

 

米国で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大が始まった際も、GAFAの各企業は早い段階で北米の全従業員に在宅勤務を強く推奨し、快適に在宅で業務を行うことができるようIT環境の整備からストレス管理まで多岐に渡るサポートを行い、その対応が大きな話題になりました。

米国では5月20日までに全50州でロックダウン(都市封鎖)が一部解除され、各企業も徐々にオフィスを再開しています。

 

今回は“ニューノーマル(New Normal)”におけるGAFAの働き方について、4社それぞれの最新情報を紹介します。

Googleのニューノーマル

Google社(Google LLC)およびGoogleの親会社であるAlphabet社(Alphabet Inc.)の最高経営責任者であるサンダー・ピチャイ(Sundar Pichai)氏は、5月26日にWebサイトで発表した従業員へのメッセージの中で、アフターコロナの働き方について説明をしました。

 

その内容は、7月6日よりオフィスを再開するが出社率は当面10%に抑えるというもので、対面での業務が必要な従業員のみを2~3週間のローテーションで出社させることにより、オフィス内でのソーシャルディスタンスを保って新型コロナウイルス感染症の拡大を予防するというものでした。

そして、この試みが成功した場合は、9月から出社率を30%に増やしていくことも言及しています。

 

Facebook社やTwitter社は、従業員の大部分を今後も完全在宅勤務へ移行することを発表しましたが、ピチャイ氏は、「Googleで生まれた様々なイノベーションはオフィスでのコラボレーションの結果から生まれたもの」と述べ、「キャンパス」と呼ばれるGoogleのオフィスとそこでの従業員同士の出会いは「失いたくないものだ」とし、従業員の働き方の希望を尊重しつつも、今後の完全在宅勤務への移行には言及しませんでした。

一部の従業員からは、一時的に家族のいる地域へ引っ越し、そこからテレワークをすることが可能かという問い合わせもあったようで、これに対しては、各マネージャーと話し合いをし、税制や保険補償などガイドラインを確認するよう求めました。

 

また、ピチャイ氏は、オフィス再開を限定的に開始する一方で、2020年末まで、可能な限り従業員には引き続き在宅勤務をするよう強く推奨しています。

在宅勤務に必要な家具や機器などを揃えるため、従業員に1,000ドル(10万4,350円=1ドル104.35円で計算)の特別支援手当を提供することも発表しました。

 

出社率を限定しながらオフィスを徐々に再開していくことを発表したGoogleですが、同時にピチャイ氏は、オフィスが再開したとしても、新型コロナウイルス感染症発生以前と同じ状態にはならないとし、オフィスでの感染症対策を実施することも明言しています。

Appleのニューノーマル

米大手総合情報サービス会社・ブルームバーグ(Bloomberg L.P.)の6月5日のレポートによると、Apple社(Apple Inc.)は、6月中旬からオフィスを再開し、ハードウェアエンジニアやソフトウェアエンジニアなど対面での業務が必要な一部の従業員の出社を再開しました。

これは、GAFAの他社より先駆けた対応でした。

 

また、米全州のApple Storeも5月下旬から6月初旬にかけて全国で店舗を再開しました。

しかし、7月中旬の同社の発表によると、全米での新型コロナウイルス感染症の再拡大を受け、Apple Storeの一部は再度クローズし、従業員は在宅勤務にて業務に当たっています。

 

新型コロナウイルス感染症の拡大が見られた初期の段階で、GAFAの他社が全従業員の在宅勤務を強く推奨し始めた頃、Apple社はまだ一部の従業員にオフィス出社を認めていました。

こういった一連の対応は、かねてより対面でのコミュニケーションや、実地でのハードウェア開発に重点を置いている同社ならではのアプローチといえます。

 

また、Apple社は7月から出社率をさらに段階的に上げていくことを予定していましたが、新型コロナウイルス感染症の再拡大を受け、2020年内のオフィスの完全再開がないことを従業員に通達しました。

しかし、出社が必要な従業員には体温検査やマスク着用を義務化するほか、新型コロナウイルス簡易検査をオプションで提供すると発表しています。

 

休憩室や、キッチンなどは閉鎖し、10人乗りのエレベーターには1回2人までの使用制限をしています。

さらにソーシャルディスタンスを保ち、新型コロナウイルス感染症の拡大を防ぐため、オフィスレイアウトの変更も進める方針です。

ただし、州や地域の規制によってオフィス出社再開のスケジュールは流動的であることも言及しています。

Facebookのニューノーマル

Facebook社(Facebook, Inc.)は、新型コロナウイルス感染症の拡大がアメリカで始まった早い段階で、全従業員に在宅勤務への移行を強く推奨し迅速な対応を行ってきました。

 

新型コロナウイルス感染症という非常事態の中で在宅勤務が長期化する中、Facebook社の最高経営責任者であるマーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)氏が当初抱いていた「テレワークにすると従業員の生産性が落ちるのではないか」という懸念は奇しくも払しょくされることとなり、5月22日に従業員へ向けたビデオ会議にて、2030年までに全従業員の50%を永続的にテレワークに移行する方針を発表しました。

 

ザッカーバーグ氏は、テレワークをより推進すれば優秀な人材を世界中から集めることができる点や、家族の転勤などで今までなら転職を余技なくされた従業員が引っ越し先で仕事を続けることができる点などを、テレワークのメリットとして挙げています。

 

Facebook社は、Google社同様に2020年末まで従業員に在宅勤務を強く推奨しつつ、7月6日からオフィスを再開することを発表しました。

出社率は25%ととし、会議室に入れる人数を制限するほか、6フィート(約1.82メートル)のソーシャルディスタンスを確保するため職場のレイアウトを変更し、食堂もテイクアウト専門に、オフィス内のジムは閉鎖し、マスク着用と体温検査を義務化する予定でした。

 

しかし、こちらも全米での新型コロナウイルス感染症再拡大のため、オフィス再開の予定をキャンセルし、ザッカーバーグ氏は7月下旬に今後もオフィス再開に関して予定が立てられないことを従業員に周知しています。

Amazonのニューノーマル

Amazon社(Amazon.com, Inc.)は、在宅勤務が効率的かつ可能な従業員に対し10月2日まで在宅勤務を続けることを認めています。

 

また、これに伴い同日まで計10日間の特別育児・介護補助金を提供することも発表しています。

これは、介護・育児サービスを受ける際にAmazon社が90%を負担するというものです。

 

同社は定期的にブログにて新型コロナウイルス感染症に関する対策を発信しており、7月7日に公開したブログでは、従業員に向けて新型コロナウイルス感染症に対する同社の新たな方針を、下記の通り発表しています。

 

●6月に働いた従業員に向けて最高500ドル(52,175円=1ドル104.35円で計算)の“Thank You Bonus(特別手当)”を支給する。

 

●新型コロナウイルス感染症の安全対策として40億ドル(4,174億円=1ドル104.35円で計算)を投じる。これは、従業員の防護具、施設の消毒、ソーシャルディスタンス確保のためのレイアウト変更、新型コロナウイルス感染症の検査体制を自社で整える費用などに使用される。

 

●新型コロナウイルス感染症拡大防止のために、下記を含む150のプロセスを更新する。

・1億枚のマスクを配布する

・手洗い場を2,298か所追加する

・5,765人の清掃員を追加する

・3,400万枚の手袋を追加提供する

・4,800万オンス(13,607トン)のハンドサニタイザーを追加提供する

・9,300万本の消毒スプレーを追加する

・31,000個の体温計と1,115台の温度カメラを用意する

 

●8,500万ドル(88億6975万円=1ドル104.35円で計算)を現在の通常業務から安全対策や監査業務を行うチームへ変更するために使用、「ソーシャルディスタンスアンバサダー」(Social Distancing Ambassadors)を任命し、体温検査を行う。

 

倉庫管理や物流に関わる従業員が多くいるAmazon社は、オフィスや施設内の消毒作業やソーシャルディスタンス確保のみにとどまらず、自社で新型コロナウイルス感染症の検査体制を整えるべく様々な動きを進めています。

すでに、テストラボ(テスト専用設備)の構築も進んでおり、働く従業員の安全確保を最優先するよう様々な対策を進めています。

今後もGAFA各社の働き方に注目を

世界のビジネスの最先端を走るGAFAの各企業ですが、IT企業とはいえ対面での業務が必要な従業員もいるため、「ニューノーマルの時代」に、テレワークを拡大していくのか、オフィス出社による対面業務を重視するのかも、各社で考え方が少し異なるようです。

GAFA各社が働き方に対するアプローチをどのように変えていくのか、今後も目が離せません。

 

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