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【ウィズコロナ時代のテレワーク】効果的な企業の導入事例と成功のポイント

2020.08.27

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大と緊急事態宣言の発令を機に「テレワークをはじめて導入した」、「テレワークの対象範囲を広げた」という企業が増えています。

なかには「テレワークでも業務上の成果が見込めた」として、IT系企業を中心にテレワーク体制を今後も全面的に行うという方針を打ち出す企業もあります。

 

今回は、「企業はなぜ全面的にテレワークを実施するのか」や「継続的にテレワークを成功させるポイントとは何か」を、企業の事例やテレワークの注意点を中心に解説します。

 

テレワーク導入のメリット・デメリットについては、こちらの記事をご参照ください。

コロナ後のテレワーク実施状況

テレワークを導入した企業の成功ケースをご紹介します。
内閣府が行った調査によると、新型コロナウイルス感染症の拡大後になんらかの形でテレワークを経験した人の割合は34.6%でした。

このうち東京23区に限った集計では、テレワーク経験者の割合は55.5%に上っています。

 

従来、テレワークは期間や職種を限定して実施するケースが一般的でしたが、新型コロナウイルス感染症の拡大後は政府のテレワーク推奨の影響もあり、はじめてテレワークを導入する企業や、職種を限定せず全社的なテレワーク実施に移行する企業も現れています。

 

コロナ禍を機にテレワークを本格導入した企業事例

新型コロナウイルス感染症の拡大を機に、感染対策や生産性アップなどを目的にテレワークの実施を拡大したり、テレワークの全面導入に伴いオフィスを縮小する企業の例もあります。

 

ここでは、コロナ後にテレワーク実施に成功し、本格導入を始めた企業の例を紹介します。

Twitter Japan株式会社

米Twitter社(Twitter, Inc.)は今年5月、日本のTwitter Japanを含む全世界の従業員に対して、自宅での業務の完結が可能で環境が整う場合は、無期限のテレワークを許可することを発表しました。

同時に、2020年9月までは一部の例外を除き、オフィスを再開しないことや出張もすべてキャンセルにする方針を表明し、テレワークに必要な家具や機器などを揃えるため、従業員に1,000米ドルの特別支援手当も提供しています。

 

テレワーク環境が整備され、オフィス出社と遜色のない効果を上げられる企業は、全面的なテレワーク導入でもメリットを得られると考えられます。

株式会社ドワンゴ

動画配信をはじめとするIT関連企業ドワンゴは、2月から5月にかけて全従業員を対象に在宅勤務体制へと移行し、6月に恒久的な在宅勤務の実施に向けた試用期間を挟んだ後、7月から在宅勤務体制を本格導入しました。

在宅勤務体制の本格導入に伴い、2月17日から支給していた電気代・通信費等の手当(551円/週)を6月末で廃止し、7月以降は正社員・契約社員に月額2万円、アルバイトに日額1,000円(上限月2万円)の在宅勤務手当を支給しています。

 

2月の導入初期の段階から従業員にテレワークをサポートする手当を支給していたことが、在宅勤務体制を成功裏に軌道に乗せることのできた要因の1つと考えられます。

株式会社デジタルホールディングス(旧オプトホールディング)

インターネット広告事業を行うオプト株式会社を傘下に置くデジタルホールディングスは、緊急事態宣言の解除後も原則テレワークを継続し、「出社は週2日以下」、「ローテーション勤務」、「顧客やパートナー企業への訪問を原則禁止」、「通勤交通費を『ワークデザイン手当』として月4,000円支給」、「本社ビルの3分の1を解約し、約2億円を削減」などの方針を発表しました。

コロナ後にここまでテレワーク中心の働き方に舵を切れた背景には、同社が2014年から部分的にテレワークを導入し、2017年には全従業員がテレワーク可能な働き方へと整備してきたことがあります。

 

また、ホールディングスの中核企業であるオプト株式会社では従業員の業務パフォーマンスを可視化するサーベイシステムを導入しており、テレワークでありがちな「従業員の生産性の変化が分からない」、「仕事をしているかわからない」などのマネジメント課題の対策を講じていることが、全社的なテレワーク実施が可能な理由の1つと考えられます。

富士通グループ

富士通グループは、2017年からテレワーク制度を導入していますが、コロナ後は全社員のテレワーク実施率を9割まで拡大してきました。

そして、7月から国内グループの従業員は原則テレワークとし、今後3年かけて国内のオフィス床面積を半分にする方針を打ち出し、通勤定期券を廃止して、テレワークの環境整備補助費として5,000円を支給することを発表しています。

 

富士通はコロナ禍で多くの従業員がテレワーク体制で働くなか、自社サービスである働き方可視化ツールを複数部門で試験導入し、業務内容とそれに要した時間などを可視化して、生産性の向上を確認してきました。

また、今後の働き方について3万人規模の社内アンケートを実施し、8割の従業員がテレワークを継続した働き方を希望するという結果も得ています。

 

このようなデータの検証やコストメリットなどを参考に、「国内グループ社員の原則テレワーク」と「3年でオフィス面積を半減」という方針を打ち出すことができたと考えられます。

カルビー株式会社

製菓大手のカルビーは、新型コロナウイルス感染症の拡大にともない、3月下旬からオフィス勤務者を原則在宅勤務体制へと移行しましたが、7月からニューノーマルの働き方「Calbee New Workstyle」をオフィス勤務者約800人を対象に適用しています。

「Calbee New Workstyle」はテレワークを基本とした働き方を無期限で延長するもので、「コアタイムを廃止しフルフレックスに」、「所属部門の承認を得たうえでの単身赴任の解除」、「モバイルワーク手当の支給」などの方針を発表しました。

 

カルビーは、コロナ禍でテレワークを徹底した結果、感染防止効果と共に「社員の通勤時間の削減」、「新しいコミュニケーションスタイルの浸透(Web会議システムの活用)」、「ITによる業務効率化(契約書の電子捺印や名刺の電子管理化など)」といったメリットを確認しており、同時に5月に実施した社内アンケートでは、回答者の6割以上から「新型コロナ感染拡大前の働き方を変えたい」という意見を得ていました。

ClipLine株式会社

サービス産業の人材教育やマネジメントのデジタルトランスフォーメーション(DX)に活用できる動画学習システムを提供するClipLineは、新型コロナウイルス感染症の緊急事態宣言後、約50人の従業員のほぼ全員をテレワークとし、緊急事態宣言の解除後もテレワークを継続、オフィスを縮小移転する方針を決めました。

 

オフィスの縮小移転は、従業員の安全とテレワーク勤務の浸透を理由とし、資料作成など個人で取り組む業務や会議は在宅(テレワーク)、オフラインでの対面を必要とするミーティングや共同作業など他者と協同する作業の場をオフィスと位置づけ、従来のオフィスの床面積を半分以下、賃料は5分の1とした新オフィスに移転することを発表しています。

“継続的にテレワークを成功させるカギは、“コミュニケーションの効率化”

Unipos株式会社が4月に行った「テレワーク長期化に伴う組織課題」に関する意識調査では、「コミュニケーションの取りづらさ」が管理職・一般社員ともに最大の課題として挙げられました。

また、2020年に日本テレワーク協会の「テレワーク推進賞」の実践部門で「優秀賞」を受賞したTRIPORT株式会社の岡本秀興氏も、テレワークの制度設計で最も重視するものとして「コミュニケーションの効率化」を挙げています。

岡本氏は、「コミュニケーションの効率化」を実現するためには、

 

1. テレワーク環境を仕組みとして構築
2. 社内制度の設計
3. 相手に配慮したコミュニケーション

 

の3つのハードルがあることを説明し、最大のハードルである「相手に配慮したコミュニケーション」の施策として、

 

・コミュニケーションツールを使用する際は、コミュニケーションの伝達量を上げるために、文章だけではなく絵文字も使用する

・仕事に関係ないことでもポジティブな情報は積極的に共有し、社員間のコミュニケーションにおける心理的安全性を高める

 

などの例を挙げています。

 

岡本秀興氏が語る「テレワークを成功に導くために必要な要素」については、こちらのインタビュー記事もご参照ください。

テレワーク環境下でのマナーやマネジメント法を学び、実践する

コロナ後にテレワークを全面的に実施している企業には「コロナ以前からテレワークの実施が可能な環境整備を行っている」、「従業員のニーズに応える形でテレワークを継続している」、「テレワーク環境下でのマネジメント課題の対策を講じている」といった特徴が見られます。

企業は、テレワークを「新しい時代のニーズに応えた生産性をアップさせる働き方」と捉え、テレワーク環境だからこそ必要なマナーやマネジメント法を学び、実践していきましょう。

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