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「所有から利用・共有」という消費者ニーズの変化により、一定金額でサービスや商品、機器を利用できるサブスクリプション(サブスク)が普及し、特にITサービスなどを中心に企業での導入も増えています。
今回は、サブスクリプションのサービス(サブスク・サービス)の導入を検討する中小企業の経営者や管理部門の担当者向けに、サブスクリプションの概要やメリット、そして導入時の注意点を紹介します。
サブスクリプションとは?
サブスクリプション(Subscription)とはもともと「予約購読」や「会員制」、「会費」を意味する言葉です。現在では、製品やサービスの提供モデルの1つとして、消費財からITまで幅広いサービスが存在しています。
「サブスク」と呼ばれるビジネスモデル
サブスクリプションは、あるサービスや商品、機器を実際に購入して所有するのではなく、一定期間利用できる権利を購入するビジネスモデルとして急速に広まっており、短期間で返却することの多い通常のレンタルとは異なり、中長期的に繰り返し利用することを想定しています。
サブスクリプションが普及した背景
サブスクリプションが普及した背景には、冒頭で挙げた消費者ニーズの変化が挙げられます。購入や所有にこだわらない人が増え、CDやDVDを購入する代わりに、音楽や動画配信サービスの利用が増加しているのもその傾向の1つと言えるでしょう。
また、サブスクリプションでサービスや商品を提供するためのプラットフォーム・サービスが増えたことで、企業が自社でシステムなどを開発しなくてもサブスク・サービスを始められるようになり、その結果、提供サービスが増えたことも普及の要因と言えそうです。
中小企業がサブスクリプションを導入するメリット
サブスクリプションでは、法人向けに特化したサービスも多く登場しています。
中小企業がサブスクリプションを利用する際の代表的なメリットを紹介します。
初期費用を抑えられる
サブスクリプションのサービスは初期費用がかからないものが多く、購入するよりも導入コストを抑えられます。
特にサービスや商品、機器を短期的・一時的に利用する場合は、月額契約のできるサブスク・サービスの利用が経済的です。
会計上の手間が少ない
社用車を購入する場合、「車両運搬具」と呼ばれる固定資産となり、会社の資産として計上されます。そうすると、毎年の減価償却や売却時の売却損益の計上など会計上の手間が発生します。
一方、サブスク・サービスで車を利用する場合、購入時のような会計上の手間はなく、税金や自賠責保険料、車検などの費用も定額利用料の中に含まれているので、リース料として費用計上することが可能です。
例えば、社用車のサブスク・サービスを利用する場合は、トヨタ車やレクサス車をリースできるサブスクサービス「KINTO」では、3年プランで更新をすると車検を受ける必要なく次の新車に乗り換えることが可能となっています。
常に最新版を利用できる
ソフトウェアを購入した場合、最新版がリリースされると更新や買い直しなどが必要ですが、サブスクサービスの場合はクラウド経由で提供されるケースも多く、常に最新版のソフトを利用することができます。
新機能や機能アップデートは随時更新され、もし不具合が発生した際も素早く対応されるので、セキュリティの強化にもつながります。
サブスクリプション導入時の注意点
サブスク・サービスを自社で利用する際の注意点を解説します。
最終的なコストを試算しておく
サブスク・サービスは、購入時のような初期費用が必要ないため手軽に利用できますが、何度も契約を更新して利用する場合、購入時よりも支払いが高額になる可能性もあります。
導入前に利用期間を想定して費用の見積もりをとり、購入した場合とどちらの方がメリットがあるかを検討しましょう。
利用しなくても料金が発生する
サブスク・サービスは一定期間利用できる権利を購入する仕組みのため、使っていなくても毎月定額の利用料が発生します。導入前に自社で定期的に利用するサービスや機器なのかを、改めて確認しましょう。
導入後も利用頻度を都度見直して、頻度が低ければ解約をし、必要になったときに再度契約をするなど、定期的な見直しをするようにしましょう。
また、中途解約も考慮し、導入前に契約期間中に解約する場合の違約金や中途解約金が発生するかを確認することも大切です。
自社の業務効率化や生産性向上につながるサブスク・サービスの利用を
初期費用を抑えて、会計上の手間を減らし、常に最新版が利用できて、セキュリティの強化につながる、などのメリットの多さから、企業でのサブスク・サービスの導入が進んでいます。
コストの試算や解約時の違約金の有無などを確認しながら、自社の業務効率化や生産性向上につながるサブスク・サービスの利用を検討してみてはいかがでしょうか。