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いま戦略総務が求められる理由。「守り」の総務から「攻め」の総務へ

2021.03.22

いま戦略総務が求められる理由。「守り」の総務から「攻め」の総務へ

これまでの総務部の一般的なあり方は、社員が安全な環境で円滑に仕事に取り組めるようにバックアップするというものでした。総務は、企業組織全体に関わり、経営者や各部門が働きやすいようにサポートすることが主な業務となるため、「守り」のイメージを持たれがちです。

しかし、労働力人口の減少やデジタル化の進展など、社会や事業環境の変化に伴い、企業も内部から変革しなくてはなりません。企業成長のためにはこれまでのやり方に捉われない新たな改革を行う必要があります。それは総務部門にとっても同様であり、そこで注目されるようになったのが戦略総務です。

本記事では、戦略総務とは何か、戦略総務が必要になった背景、戦略総務として求められることやそのポイントについて紹介していきます。

戦略総務とは

従来型の総務は、主に以下のような業務を行っており、「守り」の仕事というイメージを持たれることも少なくありませんでした。

・人事・労務管理
・文書管理
・用具品管理
・オフィス管理
・システム管理
・リスクマネジメント
・内部監査
・社内規定管理
・福利厚生
・法務
・秘書業務
・従業員の冠婚葬祭への対応
・その他

(参照:『企業を支えるバックオフィスとは?職種や重要性、効率化のポイント』
 

一方で、今回紹介する戦略総務とは、経営者の考えや、企業全体の方向性などのビジネスモデルをしっかりと把握した上で、企業を内部から変える部署として経営陣と連携しながら戦略を練り、企業の司令塔として積極的に変化に挑戦する総務のことです。

従来の「守り」の総務に求められていたものが、他部門からの依頼に的確かつ柔軟に応じることであるのに対して、「攻め」の総務、つまり「戦略総務」は、組織や業務の改革に取り組み、経営的な視点に立って企業を動かすことが求められます。

総務とは全ての部署と関わりを持ち、全社を理解している部門です。全社に影響力を発揮できる総務だからこそ、企業経営においての課題・問題をいち早くキャッチし、改善に向けて動くことができる立場とも言えます。では、なぜ今、戦略総務が注目されているのでしょうか。

戦略総務が求められるようになった環境の変化とは

近年、国内企業における環境変化の主なものとして、労働力人口の減少に加え、消費行動や働き方の変化などが挙げられます。

①:人材不足と人材流動性の高まり

日本では少子高齢化に伴い、労働力不足が問題になっています。

これが企業の人材不足にもつながっており、いかに優れた人材を確保・定着させられるかが、企業の重要課題の1つです。

一方、就労者側も多様な働き方を求め、転職やフリーランス化する傾向が出てきており、自社で継続的に活躍する人材を確保することの難しさに拍車がかかっています。

そのため総務は、「多様な人材が活躍できる環境づくり」や「長く働いてもらうために、従業員満足度を向上する施策の実行」が求められています。人材不足に対して総務がとるべき施策の一例として、時間と場所に拘束されず、労働力の選択肢を広げることが挙げられます。

例えば、

 ・フルタイムは無理だが、1日数時間であれば働きたい子育て中の従業員
 ・週3日であれば働きたいと思っているシニア
 ・プロジェクト単位で参画したいフリーランス

など、時間や雇用形態の制限を見直すことで選択肢は広がります。

テレワークやフレックス制の導入など、個別の事情に合わせて働くことができる環境を主体的に整備していくことが、戦略総務の重要な任務の1つと言えるでしょう。

②:イノベーションの必要性

社会の変化に伴って、消費者の生活様式も絶え間なく変化しています。そのため、日々の消費者の行動や社会情勢を捉え、時代の先をいく発想や取り組み、そしてイノベーションが欠かせなくなってきました。

イノベーションを起こすには能力・スキルだけではなく、イノベーションが生まれやすい環境を作り出すことも大切です。イノベーションが起こりやすい場には、「社内のコラボレーションを増やすための仕掛け」「1人で集中できる環境」「心地よさ」の3つが必要であると言われます。この3つのつながりを意識してオフィスの環境整備をすることも戦略総務の役割と言えるでしょう。

例えば、会社内で異なる部門のメンバーの偶発的な出会いの場を作るイベントを企画したり、オフィスのオープン化やコミュニケーションスペースのレイアウトなどを工夫するなどの役割が考えられます。そして、一人ひとりが生産性高く作業を行うための、集中できる空間作りも必要でしょう。生産性を向上させることで、創造・発散の時間が取れるようになり、新しいアイデアが生まれる可能性が高まります。働きやすい環境をつくることが発想を変え、結果として企業利益につながります。

オフィスレイアウト の見直しについては、
担当者必見!オフィスのゾーニングのポイントをエリアごとに紹介
をご参照ください。

③:SaaS型ツールやアウトソーシングの普及

最近はSaaS(Software as a Service)と呼ばれる、クラウドで提供されるツール、特に月額課金制のツールが普及したことで、今まで総務が時間をかけていた業務の効率性や生産性が向上しました。

例えば、入退室管理システムを用いれば、入退室履歴と勤怠を紐付けることで簡単に給与計算が行えるようになります。他にも、Webで契約を完結できるシステムを用いれば、契約書も守秘義務契約書も簡単に完結でき、わざわざ契約書の印刷や押印のために会社に出社しなくてはならないということもなくなるのです。

この他にも、総務アウトソーシングの普及もあり、事務作業を代行できるようになりました。アウトソーシングを活用すれば、作業工数が大幅に削減でき、少ない人数での対応も可能です。

これらを有効に活用することで、少ない人数で短時間で作業効率を上げられるようになります。今まで単純作業に費やしていた時間を、組織・業務改革の見直しや企画戦略の策定などの戦略的な業務に割り当てられるようになったのです。

総務アウトソーシング・総務代行について具体的に紹介しています。
詳しくは
総務アウトソーシング(総務代行)とは?業務範囲や注意点、サービスを紹介
をご参照ください。

「守り」から「攻め」の総務へ変化させる4つのポイント

これからの総務は「企業の司令塔」として能動的な姿勢で業務を行う必要があります。ここでは、「守り」の総務を「戦略総務」へと変化させるために必要なポイントについて具体的に述べていきます。

①:経営者と従業員を主体的につなぐ

全部門を把握している総務は、経営者と従業員の間に立つ存在です。そのため、経営者が決定した経営理念や方針を、従業員に正しく伝えて浸透させることが求められます。

同時に、現場の各部門が設定した目標達成に向けて適切なアドバイスをしながら、従業員の業務状況や課題、モチベーションを把握し、経営陣に伝えていかなければなりません。

経営者と従業員の良好なコミュニケーションのためには、「双方から言われたことをそのまま伝える」のではなく、総務が主体となって、双方の考えや問題点を汲み取り、最善策を検討・提案することが重要です。

②:社内コミュニケーションの活性化を図る

総務は他部門と比べて経営者、現場双方に関わることが多い部門であるため、社内の活性化や社員のモチベーション向上について積極的に取り組むことができる立場にあります。

例えば、オフィスを社員同士のコミュニケーションが生まれる場にするためにフリーアドレス制を導入する、働き方の変化にあわせてテレワーク体制を構築する、情報共有のために社内コミュニケーションツールを活用する、親睦を深めるために研修やイベントを企画する。意欲醸成のために表彰制度を設ける、などの施策が考えられます。

そのためには、まず自社の現状や問題点を把握した上で、どのような制度を導入すべきなのかはもちろん、どのようなサービスやツールが適しているのか、導入後活用されるイメージまで検討する必要があります。

③:企業活動が円滑に進むための体制を整える

総務の仕事は、経営者や従業員が企業活動を円滑に進めるためのサポートと言われています。しかしサポートといっても、必要とされた時だけ対応をするという「受け身・守り」の姿勢では、「攻めの戦略総務」とは言えません。

例えば、各部門に適切なITを導入し従来の業務の効率化を図り、創出された時間でさらなる課題に取り組められるように支援することも戦略総務としての役割です。
また、自然災害やテロ、感染症の流行などから社員を守るために事業継続計画(BCP)を策定することや、企業が所有している土地や建物、備品を適切に管理するといった点において、専門的な知識を習得していく必要があります。

さらに、企業のCSR活動やコンプライアンス、情報セキュリティを整備することや、近年ではダイバーシティに目を向けていくことも重要になってきています。

このように総務は、従業員や会社を第一に考えつつ、企業が向かうべき方向性を捉えながら、能動的に課題を見つけていく必要があります。

④:社外に目を向け、社内に情報を取り入れる

総務はどうしても企業内に目を向けがちです。しかし、企業の内側だけに捉われることなく、外部とつながりを持ち、情報を得ていくことが「戦略総務」には必要となります。

外部イベントや展示会などに足を運んで、社内で活かしたい新しいアイデアやシステムの情報収集、他社の総務部門との交流、総務系メディアやニュースサイトの購読などを通じて、自社の課題解決のための情報を得たり、戦略総務としての働き方・動き方を学ぶこともできます。

また、コンプライアンスやリスク管理の観点からも、企業が社会常識を逸脱した行動をしないように社会意識を保つことが必要です。

競争社会を生き抜くための戦略総務へ

急速に変化する現代、競争社会を生き抜くためには、社内全体も変革する必要があります。そして、社内全体に目を通し、改革を進めることができるのは経営陣以外では総務がカギを握っているといっても過言ではありません。

総務部を「攻め」の総務である戦略総務に進化させることで、全社の生産性やモチベーションの向上にもつながります。あなたの会社も、会社の成長・発展のために戦略総務に取り組んでみてはいかがでしょうか。

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