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リファレンスチェックとは?転職者の採用を円滑にする実施方法を紹介

2020.03.18

採用の選考過程において、採用候補者の前職での実績や人物像などについて第三者に照会を行う「リファレンスチェック」。以前から外資系企業を中心に行われていましたが、昨今の採用難などを背景に、ミスマッチなど採用にかかわるリスクの低減や、面接担当者の判断のサポートなどを目的として、導入を検討する企業が増えています。

本記事では、リファレンスチェックの概要や実施方法、注意点などについて紹介します。

リファレンスチェックとは

リファレンスチェックについて説明しています。
リファレンスチェックとは、企業が中途採用の選考過程において、採用候補者の前職での実績や人物像などについて、前職の上司や同僚、取引先などの第三者に照会を行うことを言います。

 

中途採用では、採用候補者から履歴書や職務経歴書の提出を受け、面接などを行うのが一般的となっています。ただ、履歴書や職務経歴書は採用候補者本人が作成するため、偽りはなくとも自分を良く見せようと書くことはよくあるものです。

面接は、履歴書や職務経歴書の内容に相違がないかを確認し、自社や募集職種への適性を確認する場ではありますが、それでも限られた面接時間では候補者の本当の姿を把握することが難しい場合もあります。また、面接担当者の技量により左右される部分も大きいでしょう。

 

このような中途採用における課題に対し、リファレンスチェックは第三者の客観的な評価を判断材料に加味することで、面接担当者の判断をサポートし、ミスマッチなど採用にかかわるリスクを低減させるなどの効果が期待できます。

次からは、リファレンスチェックのメリット、実施方法、注意点をそれぞれ紹介していきます。

リファレンスチェックを行うメリット

リファレンスチェックを行うメリットとしては、第一に採用候補者のスキルや経験に関する客観的な評価を取得することにより、ミスマッチを防止できることが挙げられます。

 

履歴書や職務経歴書に書かれているスキルや経験について、採用候補者本人に加え、採用候補者と共に働いていた第三者からも話を聞くことができれば、合否を判断するために必要な情報を量的・質的に十分に得られ、自社の求める人材であるかどうか、より正確な判断が可能となることが期待できます。

また、面接前に実施する場合であれば、面接時に特に確認すべき事項が分かったり、内定前に実施する場合であれば、面接時の評価の客観的な裏付けとなります。このように、リファレンスチェックは、面接担当者の判断をサポートする役割も果たします。

 

採用候補者の性格や価値観などの内面についても、採用候補者と共に働いていた第三者から話を聞くことは有効です。スキルや経験であれば、面接で履歴書や職務経歴書を深掘りして聞いていけば一定程度の情報は得られますが、性格や価値観などの内面は、限られた面接時間では見えにくい部分と言えるでしょう。

採用候補者の性格や価値観などの内面についても、採用候補者と共に働いていた第三者から話を聞くことができれば、自社の社風や文化、現在のメンバーと合うかどうか、などを参考にできますし、入社後のフォローに役立てることもできます。

リファレンスチェックの実施方法・注意点

リファレンスチェックは、通常、以下のような流れで実施していきます。

①採用候補者に実施の目的を伝え、同意を得る

リファレンスチェックの実施には、個人情報の取得が伴います。個人情報を取得する際のルールを遵守し、採用候補者本人に実施の目的を伝え、同意を得るようにしましょう。

具体的には、リファレンスチェックの実施方法を説明した上で、リファレンス先から取得した情報の利用目的を明示し、採用候補者から事前に同意をもらうためのフォーマットを予め用意しておくと良いでしょう。

 

なお、リファレンスチェックを行うタイミングについては、面接前に候補者に対する方針を立てたいのであれば面接を行う前に、内定前の最終チェックとしたいのであれば内定を出す前に実施するなどが考えられます。リファレンスチェックを行うことにより面接の辞退が懸念される場合は、選考が進み、入社意思が確認できる内定直前の段階に実施するのが良いでしょう。何れにしても、事前の同意は必須といってよいでしょう。

 

反対に、内定後の実施については、あまりお勧めできません。内定により労働契約(始期付解約権留保付労働契約)は成立し、その取り消しには、客観的に合理的で社会通念上相当な理由が必要とされています。万が一、リファレンスチェックで経歴詐称などの事実が判明した場合も、内定の取り消しには慎重な判断が求められます。

②リファレンス先を選定し、依頼する

リファレンス先の選定については、採用候補者に紹介してもらう方法と、自社で探す方法が考えられますが、前者の方がリファレンス先からの協力は得られやすいでしょう。

 

リファレンス先としては、採用候補者を評価する立場にあった前職の上司が理想的ですが、会社に秘密で転職活動をしている場合などは、前職の同僚や取引先、前々職の関係者などを紹介してもらうことになります。紹介してもらう人数については、複数人の方が採用候補者を多面的に見ることができ、採用候補者の期待やリファレンス先の心理的な負担も軽くなるため、2人以上とすると良いでしょう。

 

リファレンス先には、採用候補者から予め依頼し、承諾を得ておいてもらいます。リファレンス先の紹介を受けたら、リファレンス先に正式に依頼を行います。依頼文書を送付し、実施方法などについて連絡しておくとともに、適宜、電話などでもフォローすると良いでしょう。

③リファレンス先と連絡を取り、採用候補者について話を聞く

リファレンスチェックの実施については、電話や対面でのヒアリング、メールや書面で設問に回答してもらうなどの方法が考えられます。履歴書や職務経歴書に書かれているスキルや経験について確認し、性格や価値観などの内面についても聞けるような設問を予め用意しておくと良いでしょう。

ただし、個人情報については、職業安定法で業務の目的の達成に必要な範囲内で収集することが求人をする企業に求められています。特に要配慮個人情報(人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪により害を被った事実等が含まれるもの)については、不用意に取得しないように注意しましょう。

 

①~③の過程を自社ですべて行う場合、採用担当者の負担が大きくなるため、リファレンスチェックを行っている調査会社や、オンラインでリファレンスチェックができるサービスなどを活用することも有力な選択肢となります。個人情報の取り扱いについて不安がある場合にも、しっかりと対策を行っているサービス提供者を選択することにより、リスクの軽減が期待できます。

リファレンスチェックで円滑な採用を

本記事では、リファレンスチェックの概要や実施方法、注意点などについて紹介してきました。

リファレンスチェックの実施は、面接担当者の判断をサポートし、ミスマッチなど採用にかかわるリスクを低減させる効果が期待できる一方で、正しい運用がなされないと、個人情報保護法などに抵触してしまうことが懸念されます。

採用候補者本人から同意を得ること、取得する個人情報の内容に注意することなどを心がけ、正しい運用を行っていきましょう。

(執筆: 社会保険労務士 水間 聡子)

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