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ABWとは?活動に適したオフィス環境を用意し、社員を理想の働き方に導く

2020.03.31

テレワーク/リモートワークの普及や企業によるフリーアドレスの導入など、社内外を問わず自席に縛られない働き方をするワーカーが増えています。

そんな中、活動内容に応じてワーカーが働く場所や環境を使い分ける「ABW(Activity Based Working)」という考え方がヨーロッパやオーストラリアを中心に広まっています。

本記事では、ABWの基本的な考え方やメリット、フリーアドレス制との違いを見ていきます。

ABWとは

ABWについて説明しています。
まずは、ABWの基本的な考え方についてご紹介します。

ABWのコンセプト

ABWとは、個人が活動をするときに最も生産性が高い場所と時間、相手を自己裁量で選択できる働き方を実現するための「総合的な戦略」です。

仕事を活動ごとに分類し、自分の働き方を自律的にデザインすることで、仕事の品質や生産性の向上を目指します。

そのためには、どんな活動がどんな場所に適しているのかを、社員一人ひとりが把握をする必要があります。そこで、ABWでは仕事を複数の活動に分けて再定義しています。例えば、以下のような活動です。

 

【1人で行う活動】
・中断されることのない、高いレベルの集中を必要とする個人作業
・個人作業をしつつ、短い会話や質問などを交えるコワーク(協業スタイル)

【3人以上で行う活動】
・新たな知識やプロセスを構築するためのアイデア出し
・主にプレゼンターが話す内容を聞く、知識共有のためのミーティング

 

社員個々がこれらの活動ごとに場所や相手を自由に選択するためには、オフィス内にそれに適した空間が用意されていなくてはなりません。そのため、場合によってはABWの導入にあたりオフィスのレイアウトから設計し直す必要があります。

ABWは、社員の自己裁量を最大化して生産性向上を図るための、「活動」と「空間」、「働き方のルール」などを含めた包括的な「働き方改革」だと言えるでしょう。

ABWの歴史

ABWは、オランダのヴェルデホーエン社(Veldhoen+Company)によって創設され、ヨーロッパやオーストラリアを中心に広がっているワークスタイルです。

ヴェルデホーエンは1990年代以降、企業のABW導入を支援してきており、これまで世界中で300以上のプロジェクトを手掛けています。

ABWとフリーアドレスの違い

ABWとフリーアドレスを混同する方がいますが、両者は異なるものです。

フリーアドレスとは、固定のデスクをなくし、社員がオフィス内の空いている席を自由に使って仕事ができる仕組みです。対してABWは、「自己裁量で席を決める」という部分は共通していますが、オフィスだけに留まらず、自宅でもカフェでも社員が自分の活動に適した場所を選んで働くことができるという点がフリーアドレスと大きく異なります。

また、フリーアドレスの場合は、オフィス内に活動内容に最適化された空間が用意されていないこともありますが、ABWは社員の活動を分類し、企業側がその分類に基づいて設計した空間や場所を用意する必要があります。

企業によるABW導入の背景やメリット

オフィスの総合ファシリティデザイン企業の株式会社イトーキは、2018年にABWを導入していますが、導入前に都内の拠点で働く社員約800名を対象に社内アンケートを実施し、「オフィス内での場所の選択肢に満足していない」が89%、「仕事の生産性にオフィスが寄与していない」が68%という厳しい結果を目の当たりにしました。

また同じアンケートで、「重要だと思う仕事とは?」の問いに対し、自社が重視する「共同で行う集中作業や創作的活動」を挙げた人は少く、「デスクで個人的に行う業務」が最も多い回答となりました。

イトーキはこの結果に強い危機感を抱き、「働き方変革プロジェクト」を立ち上げて自社の「ありたい姿」を実現するための方法を調査し、ヴェルデホーエンの支援を受けてABWを導入する決断をしています。

 

このように、イトーキはアンケートによってオフィス環境が期待通りに機能していないことに気付き、自社の「ありたい姿」の実現を目的にABWを導入していますが、労働力人口が減少し、1人あたりの労働生産性の向上が急務となっている日本市場において、自社の理想とする働き方を求めて、社員が自己裁量で働き方をデザインし「仕事の品質と生産性の向上」を目指すABWのニーズは高まるのではないかと予想されます。

 

なお、現在日本国内でABWのコンサルティングサービスも行っているイトーキは、企業がABWを導入するメリットとして

 

・活動内容ごとに最適化された作業空間を選べることで、オフィス内での行動の自由度が高まり、社員満足度や業務充実度が向上する

・知識やアイデアが共有しやすくなり、社内コラボレーションが活性化する

・オフィス環境への肯定感から、人材確保や定着に効果を発揮する

 

を挙げています。

オフィスにABWを導入し、全社員を理想の働き方に導く

ABWの基本的な考え方や導入企業が増えている背景、メリットなどをご紹介しました。

ABWは、仕事の品質や生産性の向上を目指して、個人が活動をするときに最も生産性が高い場所と時間、相手を自己裁量で選択できる働き方を実現するための「総合的な戦略」です。

自社の社員の活動を分類し、それに合わせたオフィス環境を用意して全社員を理想の働き方に導くABWの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

 

【関連インタビュー】
イトーキ取材の1枚目の画像です。
“カギ”は活動の時間割合とモビリティ──イトーキが進めるABWを採り入れた働き方変革とは

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