社労士に相談可能な業務とは?相談・依頼の多い業務と費用の相場を解説 | akeruto_ はたらく未来のカギになる

Akeruto はたらく未来のカギになる

MANAGEMENT

社労士に相談可能な業務とは?相談・依頼の多い業務と費用の相場を解説

2019.12.23

社会保険労務士(社労士)とは、社会保険労務士法に基づく国家資格者で、労働・社会保険に関する法令やその手続きに精通した専門家です。

全国社会保険労務士会連合会が平成26年11~12月に行った「人事・労務の課題等についてのアンケート調査」によると、企業の社労士の認知度は96.7%(うち利用率は56.4%)と極めて高くなっています。

ただ一方で、社労士の「業務内容を一通り理解している」という企業も59.8%であることから、社労士を利用していない企業においては、具体的にどのような業務を依頼できるのか疑問を持たれている方も多いかもしれません。

本記事では、社労士に相談・依頼できる業務内容やその費用の相場について解説します。

【企業規模別】社労士に多い相談とは

社労士に相談可能な業務をご紹介します。
社労士への相談は、企業規模別にその内容に傾向があると言えます。

労働関係法令においては、従業員数に比例して企業の義務が増えていくこともあり、節目となる人数ごとに労務管理上の新たな課題に直面するためです。

以下、従業員数1名以上、10名以上、50名以上の企業規模別に、社労士への相談で多い内容を紹介します。

社労士に多い相談① 労働社会保険手続き

まずは、従業員数1名以上の企業規模についてです。

法人を設立すると、社長1人の会社でも社会保険(健康保険・厚生年金保険)の適用事業所となる必要があります。
また、従業員を1人でも雇用すると、労働保険(労災保険・雇用保険)の適用事業所となる必要も出てきますし、時間外労働や休日労働の発生が見込まれる場合は、時間外・休日労働協定(36協定)の締結・届出が必要です。

従業員数1名以上の企業規模では、「本業で忙しく、手続きにまで手が回らない」「本業に集中したいため、手続きは外部専門家に任せたい」といった理由で、労働保険や社会保険の手続きについて社労士に相談をするケースが多くあります。

一口に労働社会保険手続きと言っても、その内容は多岐にわたります。

例えば、社会保険では、入退社時の手続き、年に一度の算定基礎届、給与改定時の月額変更届、会社住所等変更時の手続きなどです。どのようなときに手続きが必要となるのか把握し、漏れなく正確に手続きを行うことは、特に小規模の企業の場合、意外に大きな負担となります。

社会保険労務士は、豊富な経験を生かしてこれらの手続きを円滑に行い、企業の業務効率化に貢献します。

労働社会保険手続きの依頼方法は、社労士事務所によるものの、概ね顧問契約による継続的な依頼やスポット(単発)での依頼となり、事務所所定の様式等により必要事項を連絡し、手続きを代行してもらいます。
費用の相場は、顧問契約の場合、従業員数4名以下で月額2万円程度~(労務相談含む)、スポットの場合、1届出書につき5千円程度~が相場となっています。

社労士に多い相談② 就業規則作成・変更

次に、従業員数10名以上の企業規模についてです。

従業員が10名以上になると、就業規則の作成・届出が必要となります。そのため、従業員数10名前後の企業からは、就業規則の作成に関する相談が社労士に多く寄せられます。
社労士への就業規則の相談については、こちらの記事もご覧いただきたいのですが、社労士は、労働関係法令に精通し、様々な企業の人事労務の実務に携わっていますので、法令を遵守しつつ、自社で円滑に運用できる、バランスのとれた就業規則を提案することができます。

就業規則の依頼方法は、概ねスポットでの依頼となり、顧問契約がある場合は、割引が受けられることもあります。一般的に、現状のヒアリング→原案の提案→修正案の提案…と複数回、打合せをして作成していくことが多いようです。
費用の相場は、15万円程度~(新規作成の場合)が目安となっています。

社労士に多い相談③ 各種労務相談

次に、従業員数50名以上の企業規模についてです。

従業員が50名以上になると、会社として産業医等の選任や衛生委員会等の設置、ストレスチェックの実施が義務付けられています。また、2018年4月には、障害者の法定雇用率が引き上げられ(民間企業は2.2%)、従業員45.5人以上であれば、障害者の雇用が必要となります。

一方で、従業員の増加に伴い、従業員の属性も多様化していきます。問題社員、休職する社員、柔軟な働き方を希望する社員など、経営者や人事労務担当者だけでは抱えきれない課題が出てきます。

また、この企業規模になると労働基準監督署の臨検の可能性も考えられます。そのため、従業員数50名以上の企業では、増大する労務問題に対処すべく、社労士に相談をするケースが多くなります。

これらの労務問題に対し、労働関係法令と人事労務の実務の両面に明るい社労士は、法的な見解や就業規則の解釈などに基づき解決方法をアドバイスしたり、新たな人事制度の導入や時間外労働の削減などについて提案したりすることができます。

労務相談の依頼方法は、概ね顧問契約による継続的な依頼やスポットでの依頼となり、対面や電話、メール等、企業が希望する方法で行われます。費用の相場は、顧問契約の場合、従業員数50名程度で月額4万円程度~、スポットの場合、1時間につき5千円程度~(対面の場合)となっています。

社労士に多い相談④ 助成金申請

最後に、企業規模にかかわらず、社労士に多く相談が寄せられる雇用・労働分野の助成金の申請業務について紹介します。

雇用・労働分野の助成金とは、厚生労働省が所管する助成金で、雇用関係の措置や職場環境の改善、生産性の向上に取り組んだ企業に支給されるものです。雇用保険料の事業主負担分や労災保険料を財源としており、雇用保険や労災保険の適用事業所においては、要件に沿った取り組みをすれば原則受給できるというのが特徴です。

その種類は非常に多いのですが、代表的な助成金で申請件数が多いものとしては、非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップを促進するために、正社員等への転換の取り組みを実施した事業主に対して支給されるキャリアアップ助成金(正社員化コース)などが挙げられます。

ただ、受給のためには、労働関係法令等を遵守していることはもちろんですが、決められた手順に沿って多くある支給要件を一つ一つクリアしていく必要があります。この支給要件が非常に複雑な場合が多く、個々の支給要件をしっかりと管理しながら、確実に支給申請まで導くことが、雇用管理の専門家として社労士に求められているところです。

助成金申請の依頼方法は、概ねスポットでの依頼となり、顧問契約がある場合は、割引が受けられることもあります。助成金への取り組みは長期間にわたることも多いため、着手料等が発生する場合もあります。費用の相場は、助成金受給額の20%程度~となっています。

信頼・納得できる社労士に相談を

本記事では、社労士に相談・依頼できる業務内容やその費用の相場について、企業規模別の相談傾向を踏まえながら紹介してきました。

社労士への相談にあたっては、企業の重要な情報や従業員の個人情報を共有することになるため、信頼できる社労士に依頼すべきことは言うまでもありません。また、社労士の業務は、目には見えないサービスの提供ですので、サービスの質そのものはもちろん、誠実に対応してくれるか、コミュニケーションが円滑に取れるかなども含め、納得できる依頼先を探すことが肝要です。

(執筆: 社会保険労務士 水間 聡子)

関連記事