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【まず何をする?】従業員入社時の手続きや必要書類まとめ

2019.11.08

社員が入社したら、会社は、雇用保険や社会保険の資格取得などの手続きを行う必要があります。
また、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」など入社した社員から受理しなければならない書類もあります。

必要な手続きや書類は複数あるため、入社手続きの流れを把握していないと、「あ!あれも必要だった」と何度も本人に依頼することになってしまいます。これでは、入社したばかりの社員はなかなか落ち着きません。

今回は、入社手続きの流れを解説し、必要書類や手続きをまとめて紹介します。

入社手続きの流れ

従業員入社時の必要書類や手続きをご紹介します。
社員の採用が内定したら、まずは、入社にあたって準備してもらいたい書類を案内しましょう。

また、会社からは、入社する社員に対して、労働条件通知書を交付する必要があるため、この準備も進めていきます。労働条件通知書は、遅くとも入社日には渡せるように作成します。

社員が入社したら、必要書類を受理し、その書類に基づき、各種手続きを行っていきます。
以下、具体的に見ていきましょう。

(労働条件通知書について、詳しくはこちらの記事をご参照ください)

【入社手続き】社員から必要書類の受理

まずは、必要となる書類を本人に準備してもらいましょう。
通常、採用内定から入社までは時間的猶予があるため、あらかじめ案内し、入社日に提出してもらうと、その後の手続きがスムーズです。必要書類は会社によって若干異なりますが、以下では、一般的に必要とされる書類について紹介します。

 

・誓約書、身元保証書
誓約書は、入社する社員本人に、就業規則を遵守し、誠実に勤務することや、故意または重大な過失により会社に損害を与えた場合は、その賠償の責任を負うことなどを約束してもらうものです。

また、身元保証書では、入社する社員の親族等にも、上記のような事項につき連帯して責任を負うことを約束してもらいます。

損害賠償というと物騒ですが、主な目的は、社員として遵守すべき事項を理解してもらうことです。昨今は、従業員によるSNSへの不適切動画投稿が問題にもなっています。誓約書には、会社としてこれは守ってもらいたいということを盛り込み、説明するようにしましょう。

 

・住民票記載事項証明書
本人の住所や生年月日などを確認し、通勤手当の算定や行政手続きに使用します。

 

・雇用保険被保険者証(既に交付を受けている場合)
被保険者番号を確認し、雇用保険の資格取得の手続きに使用します。紛失して被保険者番号が不明な場合は、前職の会社名の申出でも手続きが可能です。被保険者証はコピーを取り、本人に返却します。

 

・年金手帳(既に交付を受けている場合)
基礎年金番号を確認し、社会保険の資格取得の手続きに使用します。基礎年金番号の代わりにマイナンバーの記入でも手続きが可能です。年金手帳はコピーを取り、本人に返却します。

 

・健康保険被扶養者(異動)届(被扶養者がいる場合)
入社する社員に被扶養者がいる場合は、記入してもらいます。添付書類が必要となるため、同届裏面の添付書類の部分を説明し、一緒に用意してもらいましょう。

 

・源泉徴収票(入社の年に給与所得があった場合)
年末調整で前職分を含めて年税額を確定させるため、必要となります。

 

・給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
給与から控除する所得税は、扶養親族等の人数によって金額が変わります。同申告書で扶養親族等の人数を確認します。
2か所以上から給与の支払いを受けている場合には、そのうちの1か所にしか提出することができませんが、それ以外の場合は、扶養親族等がいない場合も提出する必要があります。

 

・マイナンバー
雇用保険や社会保険の資格取得・喪失の手続き、税務署に提出する源泉徴収票など、各種行政手続きで使用します。マイナンバーに限りませんが、個人情報は利用目的を明示して取得するようにしましょう。

マイナンバーの提出に際しては、身元確認が法律で義務付けられているため、個人番号カードか、通知カードまたは個人番号記載の住民票記載事項証明書 + 写真付き身分証明書(運転免許証、パスポート等)を用意してもらいます。本人だけでなく扶養家族のマイナンバーも提出してもらいますが、扶養家族の身元確認は、社員本人にお願いします。

 

・賃金支払に関する銀行口座等への振込同意書
法令上、賃金は、直接労働者に支払うことが原則となっています。銀行振込とする場合は、振込の同意書兼口座番号の報告書を提出してもらいましょう。

【入社手続き】社員への必要書類の交付

会社からは、入社する社員に対して、労働条件通知書を交付(または雇用契約書を締結)しましょう。
法令上、労働契約締結時には原則、書面により労働条件を明示することが求められているためです。

具体的な明示すべき事項については、以下のとおりです。項目は多岐にわたるため、厚生労働省のモデル労働条件通知書(https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/roudoujouken01/)などを活用し、漏れなく明示するようにしましょう。

 

a労働契約の期間
b期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準
c就業の場所・従事すべき業務
d始業・終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇、交代制に関する事項
e賃金の決定・計算・支払の方法、賃金の締切・支払の時期
f退職に関する事項(解雇の事由を含む)
g昇給に関する事項
h退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定・計算・支払の方法、支払の時期
i臨時に支払われる賃金(退職手当を除く)、賞与等、最低賃金額
j労働者に負担させるべき食費、作業用品その他に関する事項
k安全衛生、職業訓練、災害補償・業務外の傷病扶助、表彰・制裁、休職に関する事項

 

※g~kは口頭による明示も可、h~kは制度として定めている場合に明示が必要となります。上記にかかわらず、パートタイム労働者は、「昇給の有無」、「退職手当の有無」、「賞与の有無」は書面等で明示する必要があります。

【入社手続き】社外的な手続き

社員から必要書類を受理したら、各種手続きを行っていきます。
必要な手続きは、雇用保険、社会保険、所得税、住民税の手続きです。

【入社手続き】社外的な手続き①:雇用保険の手続き

週の所定労働時間が20時間以上で31日以上の雇用見込がある場合は、雇用保険の資格取得手続きが必要となります。「雇用保険 被保険者資格取得届」を作成し、入社月の翌月10日までに、ハローワークに提出します。パートタイム、有期契約など雇用形態によって、労働条件通知書(雇用契約書)の写しの添付が必要な場合があるため、ハローワークに確認します。

(雇用保険料の計算方法については、こちらの記事をご参照ください)

【入社手続き】社外的な手続き②:社会保険の手続き

週の所定労働時間および月の所定労働日数が自社の一般社員の4分の3以上である場合は、社会保険の資格取得手続きが必要となります。「健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届」を作成し、入社日から5日以内に、年金事務所(郵送の場合は年金機構事務センター)に提出します。

入社する社員に被扶養者がいる場合は、本人から受理した「健康保険 被扶養者(異動)届」とその添付書類も提出します。提出期限と提出先は、資格取得届と同様です。

(健康保険料・厚生年金保険料の計算方法については、こちらの記事をご参照ください)

【入社手続き】社外的な手続き③:所得税・住民税の手続き

所得税については、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を確認し、給与ソフトなどの扶養情報の設定を行います。

住民税については、本人より給与から控除して納付してもらいたい(特別徴収)旨の申し出があった場合には、「特別徴収切替届出書」(市区町村によって名称が異なる場合があります)を作成し、速やかに社員の居住市区町村に提出します。

流れを把握し、スムーズな入社手続きを

今回は、入社手続きの流れを解説し、必要となる書類や手続きについてまとめました。

必要な書類や手続きは多くありますが、速やかに案内し、手続きを進めることで、入社した社員は安心して職務に専念できるようになり、会社への信頼感も高まります。
すぐに戦力として活躍してもらえるよう、スムーズに入社手続きを進めていきましょう。

(執筆: 社会保険労務士 水間 聡子)

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