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新型コロナウイルスに感染した従業員の職場復帰の目安と注意点とは

2020.09.03

従業員が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に感染した、あるいは感染が疑われる場合、職場復帰までには慎重な判断が必須となります。

職場復帰の目安と条件は政府によって厳密に定められており、従業員の感染が確認された場合を想定して、企業はこの基準への対応を見据えた人員配置や対策を講じておく必要があるでしょう。

 

今回は、感染した従業員が職場復帰する際の基本的な考え方と注意点、そして職場復帰の目安と条件、復帰後に必要な措置について、日本渡航医学会、日本産業衛生学会、そして厚生労働省が発表したガイドラインに基づいて解説します。

新型コロナウイルスに感染した従業員が職場復帰する際の注意点

新型コロナウイルスに感染した従業員の職場復帰の目安と注意点を解説しています。
新型コロナウイルスに感染した従業員が職場復帰をする場合は、日本渡航医学会と日本産業衛生学会が8月11日に公開した「職域のための新型コロナウイルス感染症対策ガイド」が示す「感染した従業員の職場復帰の基本的な考え方」に沿った対応が、企業に求められます。

 

同ガイドでは、感染した従業員が職場復帰をする際の基本的な考え方として、

 

・主治医等のアドバイスに従い、従業員の体調を確認しながら職場へ復帰させる

・退院(自宅療養・宿泊療養の解除を含む)後でも、 PCR検査で陽性が持続する場合がある

・PCR検査で陽性であることが「感染性がある」ことを意味するわけではない

・感染力は「発症の数日前から発症直後が最も高い」と考えられている

・感染性は、発症後7日間程度で急激に低下する

・職場に復帰する際、医療機関に“陰性証明書”や“治癒証明書”の発行を求めてはならない

 

の6点を、職場で新型コロナウイルス感染症の対策をする担当者に留意するよう求めています。

 

(参考:日本渡航医学会・日本産業衛生学会|職域のための新型コロナウイルス感染症対策ガイド

新型コロナウイルスに感染した従業員の職場復帰の目安

新型コロナウイルスに感染した従業員は、厚生労働省が定めた退院基準を満たした時点で職場復帰が可能となります。

厚生労働省は、有症状患者と無症状患者に分けて、新型コロナウイルスに感染した患者の退院基準を設定しており、この基準を満たすと「就業制限の規定の対象者ではなくなる」ことが、厚生労働省の発出した通知によって定められています。

 

以下、有症状患者と無症状患者に分けて、退院の基準を見ていきましょう。

有症状患者の退院基準

①発症日から10日間が経過し、かつ、症状が軽快してから72時間が経過した場合

②症状の軽快から24時間が経過した後、24時間以上の間隔をあけて2回のPCR検査で陰性が確認できた場合

無症状患者の退院基準

①陽性確認の検体採取日から10日間経過した場合

②検体採取日から6日間が経過した後、24時間以上の間隔をあけて2回のPCR検査で陰性が確認できた場合

 

退院の基準を満たすと「就業制限の規定の対象者」ではなくなる

厚生労働省は、「令和2年2月6日健感発 0206 第1号厚生労働省健康局結核感染症課長通知」のなかで、

 

第2 就業制限に関する基準

法第18条の「まん延を防止するため必要があると認めるとき」とは、新型コロナウイルス感染症患者又は無症状病原体保有者が就業しようとする場合とする。
なお、第1の退院に関する基準を満たす場合は、同条の規定の対象者ではなくなるものとする。

 

と定めており、上記の「退院基準」を満たした時点で「就業制限の規定の対象者」ではなくなります。

なお、入院でなく自宅療養や宿泊療養の場合も、退院基準を満たしていれば職場復帰が可能となります。

 

職場復帰後の4週間に徹底すべき留意事項

退院の基準を満たし、職場復帰が可能となっても稀に再度新型コロナウイルス感染症の陽性となるケースが確認されています。

そのため、厚生労働省は医療機関に対し、退院する患者に退院後4週間の留意事項をまとめた文書を配布するよう求めています。

 

ここでは、厚生労働省が作成した退院後の留意事項の内容を紹介します。

 

手洗いうがいなどの衛生対策

まずは以下のような一般的な衛生対策の徹底です。

 

・石けんやアルコール消毒液を用いた手洗い
・マスクの着用などの咳エチケットを守る

毎日の健康状態の確認

健康状態の確認として、毎日体温測定を行い、発熱(37.5度以上)の有無を確認するよう求めています。

咳や発熱などの症状が出た際の処置

咳や発熱などの症状が出た際は、以下の対応を求めています。

 

・速やかに帰国者・接触者相談センターに連絡し、その指示に従う
・外出時には必ずマスクを着用して、必要に応じて医療機関を受診する
・帰国者・接触者相談センターへの連絡と医療機関の受診にあたっては、あらかじめ新型コロナウイルス感染症で入院していたことを電話連絡する

基準の改定も視野に入れ、職場復帰の対応は柔軟に行う

新型コロナウイルス感染症の患者の退院基準や職場復帰の目安は、状況に応じて改定されています。

退院後の検査で再度陽性となるケースも報告されているので、感染した従業員の職場復帰後4週間は、厚生労働省が作成した留意事項を徹底するよう求めましょう。

(監修: 特定社会保険労務士 水間 聡子)

 

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