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世界のトレンドから、ニューノーマル時代の無人化・省人化を考える

2021.03.12

世界のトレンドから、ニューノーマル時代の無人化・省人化を考える

新型コロナウイルス感染症(COVID‑19)の拡大により、世界中で働き方に大きな変化が起っています。日本も同様です。働く環境の変化に伴い、DX(デジタルトランスフォーメーション)への取り組みを強化する企業が多く見られるようになりました。

人材不足、特に日本では高齢化や労働力人口の減少の観点もあり、以前から注目されていましたが、今後更に業務のデジタル化は加速していくことが予想されます。

今回は、欧米諸国の製造業で推進されている無人化・省人化への取り組み事例を紹介するとともに、管理部門の導入に役立つRPA(Robotic Process Automation)のサービスをご紹介します。

世界の製造業における無人化・省人化の成功事例

製造業が多いドイツは、2011年に政府が「Industry 4.0(インダストリー4.0)」を策定・推進し、官民一体となってDXを進めてきました。

日本に比べて、ドイツは製造業界の無人化・省人化実現が先行していると言われています。

 

事例紹介について詳しくは『欧米事例から学ぶ、DX推進のためのロードマップ』をご参照ください。

 

ここでは、製造業、エネルギー、ヘルスケア、インフラなど多岐に渡る事業を手がけるシーメンス株式会社(Siemens K.K)の事例をご紹介します。

アンベルク電子製品工場は、同社の主力工場の一つで、比較的小型の工業用電子機器を組み立てています。1日約120もの製品バリエーション、年間で1700万個の製品が製造されており、生産切り替えは1日に350回も行われています。1日350回ともなると、作業の順番や組み合わせの選択肢は膨大な数に上ります。従来は、都度発生する変更の判断を人の経験に基づく勘を頼りに行っていましたが、これをデジタル技術を活用して効率化することを目指しました。

この目標を達成するために同社は、AI、インダストリアル・エッジコンピューティング、クラウドなどの最新テクノロジーを積極的に導入。柔軟で効率的な生産体制を整えることに成功しました。その結果、工程の75%を自動化でき、生産数は10年間で約6倍に増加しました。現在、同工場は「Industry 4.0を代表するスマート工場」と言われています。

オフィスの自動化を実現する欧米の最新RPAプラットフォーム

変化が早く、競争が激化する昨今のビジネス環境では、紙や書類による管理など昔ながらの古いプロセスから脱却し、DXにより管理・事務業務の自動化を進める企業が増えています。

自動化を進めるメリットとしては、下記の点が挙げられます。

 経費削減
 作業時間の短縮
 余剰やムダの防止
 ドキュメントへの容易なアクセス
 ワークフロー管理の簡素化
 操作プロセスの高速化
 意思決定の高速化
 顧客との関係性の強化
 部門間のスムーズなコミュニケーション

 

ここで活躍するのがRPA(Robotic Process Automation)と呼ばれるテクノロジーです。RPAは、コンピューター内でAIを活用して働くロボットのことで、人間の行動を学習し、シミュレートすることにより、ビジネスプロセスを実行します。これにより、労働集約型の業務や繰り返し作業を自動化できます。

ここでは、管理部門における省人化・無人化に役立つ代表的なRPAプラットフォームを3つ紹介します。日本でサービスを検討するときの参考としてください。

UiPath(アメリカ)

UiPath社は「オートメーションファースト」を掲げデジタル時代にすべての人がロボットを使用することを推奨・支援しています。顧客のニーズに寄り添ったサービスが特徴で、導入から運用まで全面的なソリューションを提供しています。

作業や業務を自動化するロボットを開発できる「UiPath」は、コーディングの必要がなく、ドラッグ&ドロップでロボットのアクティビティを操作するなど、直感的で使いやすい点が特徴の1つです。また選択できるアクティビティは400種類以上と豊富なので、自社にあった仕様へとカスタマイズできます。

オープンなプラットフォームも特徴で、WindowsアプリやMicrosoft Officeでの操作についても安定して自動化することが可能です。

UiPath社は、無料のトレーニングも提供しておりユーザーのデジタル知識の習得についても手厚いサポートを提供しています。

(参照:UiPath

Automation Anywhere(アメリカ)

Automation Anywhereは、オンプレミス型とクラウド型のサービスを提供しており、大企業、中小企業に人気のRPAプラットフォームです。高度なセキュリティが評価されており、金融機関でも多く導入されています。

プラットフォーム独立型モデル、リアルタイムのレポートおよび分析などに強みがあります。また、インテリジェント オートメーション (IA) を使用しており、RPAとAIテクノロジーを組み合わせることにより、エンドtoエンドのビジネスプロセスでスピーディーな自動化を実現できます。
(参照:Automation Anywhere

Blue Prism(イギリス)

Blue Prismは、バックオフィスの管理業務を完全に自動化するクラウド型のソリューションです。日本はもちろん、世界で1,800以上の企業で導入されており、RPAのパイオニアと言われています。統合的な管理がしやすく、内部統制に準拠しており、高セキュリティであることが特徴です。その他にも、ロードバランシング、暗号化、監査などの機能も備えています。

定型的な動作をロボットに代行させることで、人や物の流れを簡略化できたり、コストが抑えられます。
(参照:Blue Prism

RPAを活用したオフィスの無人化・省人化事例

コカ・コーラの事例

コカ・コーラ社は、人事部門にRPAを導入しました。目的は次の3つです。

①シームレスな人事プロセスの実現
②タイムリーで正確な給与支払い作業の実現
③従業員からの問い合わせに適切に素早く対応すること

これらゴールを達成するために、それぞれの作業の工程数、頻度、担当者数、各作業の優先順位を確認。「自動化が可能な作業」と「自動化によりミスが起こる危険性の高い作業」を振り分けました。これによって洗い出された150のプロセスをRPAで適切に自動化。その結果、フランチャイズ戦略によって増えた作業を人員補充することなく対応することに成功しました。

また人事部門では、自動化によって生まれた余剰時間を、より重要でクリエイティブな業務に充てることが可能になりました。他部門の従業員からの問い合わせ対応の品質も向上したとのことです。

日本企業における無人化・省人化

製造業においては、2016年には日本とドイツ間でIoT/Industry 4.0協力に係わる共同声明が発表され、IoT分野での協業が進んでいます。ロボットやAIなど新しいテクノロジーにより無人化・省人化に成功している企業も多く見られるようになってきました。

しかし、一方で、日本の製造業における無人化・省人化を含むスマートファクトリーへの移行は、ドイツや中国などに比べると遅れていると言われています。Industry4.0が目指すDXを実現するには、ドイツや中国のように官民一体となって、雇用の確保・創出の点まで考慮した戦略を進めることが必要と言えるでしょう。

RPAやAIの導入を進めている企業が日本でも増えてきています。しかし、DXを推進しているものの成果が限定的だと感じている企業が多いのが実情のようです。

製造業、管理部門、ともにDXを成功させるための課題として多くの企業が挙げているのが、「デジタル人材の確保」です。デジタル人材を社内で育成しRPAやAIなどのテクノロジーを目的によって正しく活用することによって、効果的な自動化を進めることが実現可能となるでしょう。

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