2021年の働き方を予測する━働く場所、採用、雇用形態━ | akeruto_ はたらく未来のカギになる

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2020年は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大により、世界中が大きな混乱に陥りました。様々な場面で感染防止対策が講じられ、働き方にも大きな変化が起こるなか、日本でもテレワークの急速な普及や時間差勤務、オフィスでの感染対策などが進みました。

さらに、このような働き方の変化に伴い、採用手法や雇用形態も今までとは違うスタイルへとシフトしつつあります。

 

今回は、2020年に起こった「働き方の変化」を振り返りながら、2021年の「世界の働き方のトレンド」を予測します。

2021年の”働く場所” –テレワークとオフィス勤務–

2020年は新型コロナウイルス感染症の拡大という未曽有の事態に対応するため、世界中でテレワークの導入が進みました。欧米でも多くの企業が従業員にフルタイムでのテレワークを強く推奨し、新しい働き方について多くの気付きを得ることになりました。

その学びや価値は、企業における労働環境を大きく変えることになりましたが、このような働き方は一時的なものではなく、今後も続くものと考えられます。

 

米Facebook(Facebook, Inc.)のCEOであるマーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)氏は、2030年までに全従業員の50%を永続的にテレワークに移行する方針を発表しました。

ザッカーバーグ氏は当初「テレワークにすると従業員の生産性が落ちるのではないか」という懸念を抱いていましたが、様々な施策の結果、社内調査で従業員の生産性はむしろ上がったことが確認され、アフターコロナもテレワークの従業員を増やすという方針を決定しています。

 

同じく米テクノロジー企業のTwitter(Twitter, Inc.)は、新型コロナウイルス感染症の拡大が収束した後も、基本的にテレワーク勤務を許可することを従業員に向けて告知しています。

 

テレワークをした場合、従業員側のメリットとしては下記が挙げられます。

 

通勤時間削減:通勤する必要がないため、その時間を有効活用することができます。また、満員電車や渋滞のストレスからも解放されます。

業務の効率化:自宅などで一人で作業を行うことで業務に集中しやすくなります。突然の来客対応や、上司や同僚との会話などによって作業が中断されることもありません。

ワークライフバランスの改善:通勤時間にかかっていた時間を家事などに有効活用することが可能になります。さらにフレックスタイム制度と併せて活用すれば、家事・育児・その他プライベートでの用事と仕事をある程度自分の都合で調整し、ワークライフバランスをうまく保つことが可能になるでしょう。

 

また、雇用主側のメリットには、次のようなものが挙げられます。

経費削減:通勤費、オフィス家具、オフィス用品、(縮小すれば)オフィス賃料などの経費削減が可能になります。

離職率の低下:従業員が自分のライフスタイルにあわせて、仕事とプライベートを調整しながら業務にあたることが可能になるため、育児や介護など家庭の事情がある人も仕事を続けやすくなります。また、働く場所にも制限がないため、配偶者の転勤などがあった場合でも退職せずに仕事を続けられます。

人材の確保:働く場所に制限がないことから、様々な地域から優秀な人材を採用することが可能になります。

 

一方、デメリットとしては、従業員間のコミュニケーション不足、モチベーションの低下、労務管理が難しくなることなどが挙げられます。

特に、コミュニケーション不足やモチベーションの低下は、仕事の生産性や創造性にも大きく関係するため重要な課題と言えるでしょう。

 

コミュニケーション対策など、テレワーク時の課題対応については、こちらの記事もご参照ください。

 

企業の口コミなどの情報サービスを展開する米Glassdoor(Glassdoor, Inc.)の社内調査レポート「Glassdoor Workplace Trends 2021」によると、回答した人の70%が、テレワークとオフィス出社のハイブリッド勤務を希望していることが明らかになっています。

つまり、多くの従業員は、フルタイムでのテレワークも、従来の月曜日から金曜日までオフィスへ出社する勤務形態も、どちらも望んでおらず、ライフスタイルに併せて両方選べる働き方を希望しているということになります。

 

また、同レポートは「感情的なつながりを保ち、信頼関係を築き、チームのレジリエンス(回復力)を育てるためには、対面での交流が必要」と伝え、新型コロナウイルス感染症が収束した後は、多くのオフィスで従業員が戻ってくると予測しています。

 

2021年は、テレワークとオフィス出勤を組み合わせたハイブリッドな働き方が、より一般的になると予測できます。

2021年の採用と雇用形態

企業のダイバーシティ

2020年5月にアフリカ系米国人の男性が白人警察官に押さえつけられて死亡した事件を受け、全米で「ブラック・ライブズ・マター(BLM=黒人の命は大切だ)」という抗議運動が広まったことは記憶に新しいかと思います。

米国ではこの事件をきっかけに、職場における多様性と公平性を見直す声が高まり、多様な人材を受け入れる組織体と公平性の担保を企業にも要求する動きが拡大しました。

Glassdoorの調査では、76%の人が「会社を評価する際、職場における多様性を重要なファクターとして考えている」と回答しています。

 

以前から、米国では多くの企業がD&I(Diversity & Inclusion/ダイバーシティ・アンド・インクルージョン)という考え方を人事戦略に掲げています。

これは、性別・国籍・性的指向・宗教・障害の有無などにかかわらず多様な人材が差別なく働ける「ダイバーシティ(多様性)」と、このような多様な人材一人ひとりの違いを受け入れ、個々の特徴を活かして働くことのできる環境を提供する「インクルージョン(包括的)」の推進を目指すものです。

 

最近では、これに昇進・賃金などの公平性を目指す「Equity(イクイティー=公平性)」が加わった、DEI(ダイバーシティ・イクイティー・アンド・インクルージョン)という考え方が世界で広まっています。

Googleでは2019年にDEI担当のグローバルディレクターが任命され、ダイバーシティに関する年次報告書でもDEIが全面的に掲げられました。

 

2021年は、企業がD&Iからさらに進んだDEIを掲げるだけではなく、実際にこのDEIが向上しているかどうかを重要視する流れが加速し、GoogleのようにDEI専門の担当者を採用する傾向が広がると予測されています。

世界各地・地方からのテレワーク採用

テレワークの普及により、優秀な人材を世界各地から集めることが可能になりました。

先に挙げたFacebookのように、フルタイムのテレワークで勤務する従業員が増える傾向は2021年も続くと予測されます。

 

また、新型コロナウイルス感染症の拡大以降、米国では家賃の高騰するサンフランシスコなどの都心部から郊外へ引っ越しをする人が増えています。

会員専用SNS・Blindが米国都市部のユーザー2,800人を対象に行った調査でも、44%の人が「生活費の安い地域へ引っ越せるのなら給与が下がっても構わない」と回答しており、郊外への移住の流れはしばらく続きそうです。

 

これに対し、企業側は従業員の選ぶ居住地に応じて給与を調整する方針を示しており、ソフトウェア会社VMware(VMware, Inc)やFacebookなどが、生活費の安い都市に引っ越した従業員の給与を引き下げることを発表しています。

ジョブ型採用

テレワークやフレキシブルな働き方の普及により、従業員の働きぶりを直接見ることや、時間で管理することが難しくなりました。

このため、日本でも人事評価制度が時間管理から成果主義へ移行する傾向が見られるようになり、今年、日立製作所、資生堂、富士通、KDDIなど日本の大企業数社が、日本特有の雇用システムである「新卒一括採用」(メンバーシップ型採用)から職種別に採用する「ジョブ型」雇用へ移行することを発表しました。

 

ジョブ型雇用については、こちらの記事をご参照ください。

 

欧米諸国では新型コロナウイルスの感染拡大前から「ジョブ型」雇用が主流でしたが、今後働く場所や時間の自由度が高まるにつれて、日本でも業務の成果を基準とする「ジョブ」型を採用する企業が増えることが予想されます。

激動の2020年の学びを2021年に生かす

米企業の動向を中心に、2020年に起きた働く場所や採用・雇用形態の変化を振り返り、2021年を予測しました。

Glassdoorの調査レポートから、米国では2021年はテレワークとオフィス出勤を併せたハイブリッドな働き方がより一般的になることが予測されますが、テレワークの導入や従来型の雇用形態の変化が見られる日本でも、ハイブリッド勤務が増える可能性があります。

激動の2020年に得た学びを活かし、2021年以降のニューノーマル時代における「新しい働き方」へ移行するための準備を進めていきましょう。

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