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【セミナーレポート】コロナ禍におけるオフィスのあり方とは

2021.03.02

【セミナーレポート】コロナ禍におけるオフィスのあり方とは

決まった時間に出社し、同僚たちと顔を合わせて業務を開始、決まった時間になれば退社する。これは長らく、ごく普通の働き方でしたが、2020年新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大とそれに伴うテレワークの拡大によって、突然”当たり前”の座を奪われることとなりました。

では、テレワークが完全に浸透し切っているのかというと、例えば2021年1月からの緊急事態宣言対象地域の企業322社を対象とした調査によると、回答者全体の90.1%がテレワークを実施すると回答しているものの、その内の32.9%はコロナ収束後に原則出社の体制に戻すとも回答しています(参考:月刊総務『緊急事態宣言下のテレワークと総務の対応に関する調査』より)。また実施企業の90.1%という数字には、出社日を削減するといった”部分的なテレワーク”も含まれています。

これをみても、テレワークが「新しい当たり前(ニューノーマル)になった」企業はまだまだ一般的であるとは言いがたく、テレワークに対して、「新型コロナウイルスの感染拡大に伴う、一時的な措置である」と考える経営者が、一定以上は存在していることが伺えます。

悩ましいのが、いつ収束するともわからない新型コロナウイルス感染症に合わせて、オフィスをどう作っていくかという点です。経営層にとって「次世代のオフィスづくり」は重大テーマとなるはずです。

そんな中、クラウドで入退室情報を管理できる「Akerun 入退室管理システム」を提供する株式会社Photosynth(フォトシンス)は、株式会社フォーバル・リアルストレート(以下、FRS社) オフィスコンサルティンググループ 柳田 慎吾氏と株式会社SHIFT 代表取締役社長 丹下 大氏を招き、今後のオフィス活用に焦点を当てたセミナーを開催しました。

第1部:コロナ禍で急速に増えた「攻めのオフィス縮小」

FRS社の柳田氏は、新型コロナウイルス感染症の拡大によって、オフィス利用のニーズに大きな変化が訪れたと指摘します。オフィスビルの仲介や内装、移転までを総合的にサポートする同社の調べでは、新型コロナウイルス感染症が発生する以前の2019年上期には「オフィスを縮小したい」と考える顧客が14%だったのに対し、第1回の緊急事態宣言後となる2020年上期では、実に42%もの顧客がオフィスを縮小したいと考えていたことがわかりました。
第1部:コロナ禍で急速に増えた「攻めのオフィス縮小」
(登壇資料より掲載 ※以下同様)

注目したいのが内訳です。2019年上期のオフィス縮小理由は「業績悪化」でした。しかし2020年上期でオフィスを縮小したいと答えた42%の顧客のうち、26%は主にテレワーク導入に伴う縮小、つまり働き方の変化による縮小だというのです。これは、テレワークの導入にあたって、賃料のコスト削減とテレワーク体制に合わせた改革を一度に進める「攻めの縮小」とも言えるでしょう。

また、100坪以上のオフィス面積を持つ東京都5区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区)の大型ビルを対象とした調査では、新型コロナウイルス感染症の拡大が進んだ2020年2月頃から、入居募集物件が増加に転じた、つまり空室が目立ってきたと分かりました。(下図参照)。ところが、同5区を対象として、20〜50坪規模のより小さな面積のオフィスに目を向ければ、2020年の11月あたりをピークとして、募集区画数は減少に転じていると言います。
入居募集物件が増加に転じた

以上の話から、大型オフィスの需要が減り、小型オフィスの需要は増加しているという仮説が成り立ちます。これらを踏まえて柳田氏は、今後のオフィス需要を「縮小×分散化」「フレキシブル×コワーキング型オフィス」「働く場所の自由度の高まり」「貸方の多様化」の4つと予測します。
「縮小×分散化」「フレキシブル×コワーキング型オフィス」
働く場所の自由度の高まり」「貸方の多様化」

それぞれ「小型の本拠点とリモート拠点を組み合わせた新たなオフィス構造」「フリースペースの使用権などを契約し、必要なときだけ、必要なぶんのオフィスを使える契約」「東京都から郊外、地方への移転」「居抜き物件やセットアップ物件の増加、曜日ごとの施設利用契約で、使いたい日だけオフィスを使う」といった意味合いになります。柳田氏は「オフィスの契約方法は多様化している。今までのように100人だから200坪とオフィス規模を決めるのでなく、企業がオフィスに何を求めるのかを定義した上で、オフィスプランを検討することが重要だ」と結びました。

 

第2部:新時代のオフィスの役割と、課題となるセキュリティ

第2部では、弊社セールス・マーケティング部の大波が、「オフィスの役割と今後のオフィスのあり方」をDXの視点からご紹介しました。

月刊総務が2020年8月に303社を対象として実施した調査によると、「これからのオフィスの役割は?」という問いに対して、多かった回答上位3つは「社内コミュニケーションの場」「チームで作業をする場」「社風・文化を醸成する場」というもの。
「社内コミュニケーションの場」「チームで作業をする場」「社風・文化を醸成する場」
(登壇資料より掲載 ※以下同様)

大波はこれを受け、これからのオフィスは「必要な人が必要な時に出社できる場所」「重要な情報や資産を保管し、充実した業務環境を備えた場所」が本質的な機能になり、「仲間とのコミュニケーションを図る場所」「イベントや福利厚生のためのコミュニティ・スペース」という役割のウエイトが大きくなる可能性を示唆しました。
これからのオフィスとは?

一方、複数オフィスを拠点とする場合、様々な課題が見えてくることも。具体的には「出退勤の管理」「施設ごとのセキュリティ」「出社日の非固定化による施錠管理」「雇用や勤務形態に合わせた入退室管理」など、オフィスセキュリティの分野です。
ニューノーマル?

オフィスの縮小や分散によって、オフィス賃料は削減でき、企業運営にかかるランニングコストを抑えることはできるかもしれません。

しかし、複数の拠点に従来のセキュリティシステムを入れるとなれば、多大なコストが必要になります。大型のテナント向けのセキュリティシステムは、大掛かりな工事が発生しますし、退去時の現状修復にも費用がかかります。働く場所として社員の自宅や外部のコワーキングスペースを取り入れていると、その全てに従来同様のセキュリティを導入することは事実上不可能です。

クラウドで入退室管理できる「Akerun 入退室管理システム」を利用すれば、管理者は、いつでもウェブ上でオフィスの利用状況を知ることができます。また、「Akerun 入退室管理システム」は2020年5月のアップデートで、「誰がいつどの部屋に入ったのか/出たのか」がメールで届く「履歴モニタリング機能」を実装しました。
モニタリング機能

この機能は、出社を原則禁止としている企業の経営層、人事担当者からの強い要望を受けて開発に着手した背景があり、テレワーク時代に合わせた機能と言えます。柳田氏のパートでもあったように、オフィスの縮小や分散化は新型コロナウイルス感染症の拡大を防ぐ意味でも有効ですが、一方でセキュリティ部分のリスクが大きくなるという側面を持っていると考えます。

出勤率は減少しているが、誰も出勤しないわけではない。さらに、社員たちは複数の拠点にまたがって業務にあたっており、そのすべての状況を把握するのは難しい……。多くの企業が直面している状況だと思いますが、「Akerun 入退室管理システム」なら、低導入コスト、低ランニングコストでその問題を解消できる可能性があります。
Akerunの特長

交通系ICカードやスマートフォンが鍵の代わりになり、同時に入退室管理、勤怠管理も実現できる。さらに、クラウド上にログを保存でき、24時間体制でサポートを受けられるのが「Akerun 入退室管理システム」の特長です。

もしDXが「デジタルやITの力で生活を豊かにしたり、改善すること/業務効率化を図ること」であるならば、「Akerun 入退室管理システム」は、企業のDX推進にもお役に立てると言えるかもしれません。

 

第3部:ドアの枚数が増え、スマートロック需要も伸びている

第3部は、株式会社SHIFT代表取締役社長 丹下 大氏と、弊社の代表取締役社長 河瀬 航大の対談形式のセッションをお届け。
アの枚数が増え、スマートロック需要も伸びている

SHIFTはソフトウェアの品質保証・テストを専門とする企業で、実際のテストだけでなく、ソフトウェア開発の上流域におけるコンサルディングから企画、開発、運用業務までを幅広く受託し、さらに品質保証の視点から企業のIT課題を総合的に支援しています。私たちがデジタルと深く結びついた生活をストレスなく送れているのに、一役買っている企業だと言えるでしょう。

セッションでは主に、丹下氏の質問を受けながら、河瀬がアフターコロナのスマートリロック市場についてに話が及びました。

河瀬は、「コロナ禍によって、『Akerun 入退室管理システム』の解約もあったが、それを上回るペースで新規導入が増えた」とコメント。この結果について、「(導入コストが低く、取り付けや原状回復が容易いという)製品の特性上、もともと分散型オフィスに向いたセキュリティサービスなので、多拠点化が進み、『企業のドアの枚数』が増えたことで、導入が進んだ」と分析しました。

これを受けて、丹下氏は「SHIFTでは、現在社員の約6割が在宅勤務を行っているが、社員の家のドアに『Akerun入退室管理システム』をつけたい」と話しました。これに対し、河瀬は、2021年の1月に設立したフォトシンスと美和ロックの合弁会社「株式会社MIWA Akerun Technologies」を紹介

MIWA Akerun Technologiesは、スマートロックが消費者の間でもニーズが高まっている中で、住宅向けのスマートロックや関連サービスを開発・提供するために設立されました。ハードウェアを美和ロックが、ソフトウェアやクラウドをフォトシンスが担います。

丹下氏は、「シェアを奪い合うのではなくて、錠前の大手にフォトシンスの技術を載せるという形が、お互いに組みやすかったのではないか」とコメント。河瀬は「日本は、(主に賃貸住宅で)釘すら打ってはいけないなどのルールが定められていることが多い。もともと住宅に組み込まれる形で商品を提供していくのがベストだと思った」とコメント。

また、河瀬はAkerunを支える認証基盤についても言及。Akerunの認証基盤では、通常の一般情報(氏名、所属、電話番号、電子メールなど)に加えて、その人が持っている固有の物理ID(ICカードや生体認証情報など)も紐づいていることが特徴です。Akerunの認証基盤を活用すれば「電話番号(や電子メール)を個人のユニークIDとして、鍵(やICカード)の情報、買い物情報、ポイントの取得歴などが一元管理できる世の中になる」と紹介しました。

そして最後に、新型コロナウイルス感染症が拡大したことで、「Akerun入退室管理システム」にセキュリティだけでなく、社員の健康管理=社員から新型コロナウイルス陽性者が出たときの追跡といった用途も求められるようになったことを紹介。そして、アフターコロナの労働環境について、「時間や場所だけでなく、雇用形態もフレキシブル化する流れが来る」と指摘しました。

丹下氏も同意し、「『Akerun 入退室管理システム』はフレキシブルなセキュリティや労働時間、働き方をコントロールできるサービスなので、これから更に必要とされていく」と結びました。
時間や場所だけでなく、雇用形態もフレキシブル化する流れ

 

これからは、自社のニーズを見極めたオフィス作りが求められる

私たちの労働環境には、この1年で大きな変化が訪れました。今回のセミナーで明らかになったのは、労働環境の変化が、企業のオフィスに対するニーズにも影響していることです。これは、長らく変わっていなかったオフィスのあり方が、根本的に動き始めていることに他なりません。

この大きな流れに太刀打ちできるのは、デジタルやITの力、それによってもたらされる、DXではないでしょうか。

今後、新型コロナウイルス感染症の拡大にどのような動きが訪れるのかはハッキリとしたことは言えません。しかし、不動産の賃貸借契約において数字として見える変化が表れているということは、「元には戻らない/戻さない」と考える経営層の存在を示唆していると思います。デジタルの力を借り、新時代に向けたオフィス作りに取り組む企業は、次世代のスタンダードを急速に築いているようにも見えないでしょうか。

もちろん、業種や職種によっては、どうしてもリモート体制への移行が難しいという事情もあり、一概に「テレワークが良い、新しい」と決めつけることはできません。各企業の事情に応じた、最適な労働環境を見極め、DXを取り入れながら実現させていくことが、これからの企業活動には要求されているのかもしれません。

デジタルを取り入れ、トレンドを取り入れたオフィス作りは、コロナ禍というビジネスの危機を逆手にとって、大幅な効率化に変換できる可能性も秘めていると思います。

text: 海岡史郎

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